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琉球銀行、ワークスタイル変革を目指しシンクライアント基盤にNutanixを採用

企業

1948年特殊銀行として設立され、1972年 に銀行法に基づいて普通銀行に改組。地域 経済への貢献活動に積極的に取り組むとと もに、経営体質の強化に努めており、お客さ まに「すてき」と言ってもらえる商品やサー ビスを提案し、「わくわく」する体験を提供 することを目指しています。現在、顧客本位 の収益モデルの実現を経営目標に、中期経 営計画「Customer Centric 2017」に取り 組んでいます。

業界

金融業

ビジネスニーズ

  • Windows XP環境からの刷新
  • 柔軟な働き方を実現するワークスタイル 変革の推進
  • キッティング含めた行内PCの運用負荷の 低減
  • グループ会社での展開も視野に、拡張性 の高い基盤の整備

導入製品

  • Nutanix NX シリーズ

導入メリット

  • ピーク時にも問題なく稼働するシンクライア ント環境の整備により柔軟なワークスタイル に対応
  • ITの複雑さを軽減する拡張性の高い基盤を 整備し、分散系統合サーバーの基盤として も活用
  • システム基盤設計にかかる工数を半分程度 までに圧縮
  • 管理画面が分かりやすく、教育コストはゼロに
  • 可用性の高さを実感
  • 省電力性能の高さや設置スペースの効率化 もメリット

「グループ会社と連携していくことで、 全体の総合力を高めていくことが経営層 の方針として示されています。システム担当 としては、Nutanixを活用していくことで、 ワークスタイル変革も含めたグループ 全体の底上げを実現していきたい」

株式会社琉球銀行 事務統括部 次長兼システム企画課長 勝田安紀氏

導入の背景

株式会社琉球銀行は1948年5月、戦後のインフレ抑制と沖縄経済の発展のため米国軍政府布令によって特殊銀行として設立されました。本土復帰を果たした1972年に銀行法に基づいて 普通銀行となり、現在は地域経済への貢献と経営体質の強化を推進しています。お客さまに 「すてき」と言ってもらえる商品やサービスを提案しながら「わくわく」する体験を提供するため、 日々アイデアの創出に励んでいます。2017年からスタートした中期経営計画「Customer Centric 2017」では、顧客本位の収益モデルの実現を経営目標に、法人・個人向けサービスやチャネル・マーケティング改革、営業店の現場改革、人材育成改革などに取り組み、環境変化に対応できるビジネスモデルの構築を進めています。

同行では、2006年に勘定系・情報系を含む銀行システム共同化プロジェクト“じゅうだん会”が提供する共同版システムへ移行し、最新テクノロジーの早期導入が可能な環境を整えました。勘定系システムの開発や運用をアウトソーシングしており、同行の情報システム部門にあたる事務 統括部 システム企画課は、システム企画に特化して行内システムの環境整備に携わっています。

そんな同行がクライアント環境の刷新を計画したのが2016年。Windows XPを搭載したファット クライアントで運用を続けていた環境を刷新し、新たな環境に移行するプロジェクトが動き出しました。同時に、キッティング含めたPC運用の手間を軽減しつつ、ワークスタイル変革を実現する環境づくりを目指しました。「サポートの切れたOS環境から脱却してセキュアな環境へ移行するだけでなく、新たな時代の働き方を実践できる環境づくりに取り組むことになりました」と事務統括部 次長兼システム企画課長 勝田安紀氏は語っています。

ソリューション

琉球銀行は、2014年に行外での決裁業務やCRMの活用などを前提に、iPadを導入することでモバイル環境におけるワークスタイル変革に取り組んだ実績があります。その時セキュリティ面を考慮して選択されたのが、シンクライアント環境でした。「このシンクライアント環境を行内のPCにも広げることで、テレワークやモバイルワークなどワークスタイル変革をさらに推し進めようと考えました」と勝田氏は当時を振り返ります。

新たな環境づくりを検討する過程で注目したのが、Nutanixが提供するEnterprise Cloud OSソフトウェアでした。「以前から、グループ全体のシナジー効果を高めるためにも、グループ会社にも展開することが念頭にありました。できる限り柔軟に、しかも負担なく拡張できる環境が必要でした。 Nutanixであれば、必要に応じて柔軟に拡張できる“Pay-As-You-Grow”という考え方が前提にあり、 我々が求めているものとして最適だったのです」と同部 システム企画課 宮里和宏氏は語っています。 タブレットでのシンクライアント環境ではVMwareをハイパーバイザーに、シンクライアント環境はシトリックスのXenAppを活用しており、行内のPC環境についても同様の環境を希望しました。「Nutanixであればマルチハイパーバイザー対応ですし、シトリックスとの実績や技術的な連携も含めて安心できると考えました」と宮里氏。

そこで、事前にシトリックスが提供するアセスメントを実施し、デスクトップ仮想化に関するパフォーマンス検証を綿密に行いました。「気にしていたのは、出社後に行員が一斉にPCを起動した場合でも、 レスポンスよくデスクトップが立ち上がる環境を構築できるかどうか。事前のアセスメントによって必要な環境整備を行うことができたのは大きい」と勝田氏は語ります。

金融機関の場合、積年の実績がある安定したシステムを選択することが一般的ですが、今回、琉球 銀行は先進的な仕組みであるNutanixのEnterprise Cloud OSを採用しました。「実際にNutanix の技術者に沖縄まで説明にお越しいただいたり、“Nutanixバイブル”で自分なりに調べたりするなか で、優れたアーキテクチャだと実感しました。我々はシステムの企画を行うことが業務の中心ですが、 今後当行にあった仕組みを自ら選択していくときが必ずやってくる。そんな状況に備えて、ベンダーに とらわれずに我々にあったシステムを導入したいとの思いが強かった。だからこそ、Nutanixを選択し たのです」と宮里氏は力説します。NutanixのEnterprise Cloud OSの優れたアーキテクチャを考え れば、今後他の地方銀行にもこの技術が広がってくるはず、と将来性も感じたと語ります。

結果として、同行が目指すワークスタイル変革に適したシンクライアント環境の基盤として、Nutanix のEnterprise Cloud OSが採用されました。

導入効果

現在は、シンクライアント環境としてNutanix NXシリーズを導入し、約2000ユーザーの仮想デスク トップ環境を管理しています。Windows 2012で動かすメインの環境だけでなく、レガシーシステム を動かすためのWindows 2003環境、そして特殊なアプリを動かすためのWindows 7環境という、 3つの環境をNutanix上で展開しています。「ユーザー視点で見れば、止まってしまうと一番困るはず のシンクライアント環境が安定して動かせたのは大きな成果です」と宮里氏は評価します。

定量的な効果については、システム基盤設計にかかる従来型の3層構成における工数と比べて、 サーバーストレージ設計だけに限ると半分程度に削減することに成功し、システム構築期間の短縮 にも貢献。拡張する際にはさらなる効果を見込んでいると宮里氏は語っています。実際の運用に ついては友好企業に委託していますが、「これまでシンクライアント環境の運用もエンタープライズ クラウド基盤も扱ったことがなかった担当者でも、特に問題なく運用管理ができています。GUIが 分かりやすく使いやすい仕組みだからこそ、管理画面を見ても混乱せずに運用できているようです。 教育コストはゼロに等しいです」と、宮里氏は運用についても高く評価しています。

「導入間もない頃、ディスク障害を経験したことがありましたが、システムを無停止のままディスク 交換できたことで、可用性の高さを実感しました」と宮里氏は語ります。「無停止で復旧できたことは もちろんですが、Nutanix側にハードウェア情報や障害情報が通知されているため、通常のオンプ レミス環境よりも迅速な障害対応が可能でした。先進的な仕組みだけに、障害対応の在り方につい てもこれまでとは異なる考え方と言えます。結果として素早く復旧できたことはとてもありがたい」と 宮里氏。サポートについても満足しており、顧客ロイヤリティを測定する指標として注目されるNPS (Net Promoter Score) が業界内で高いことも頷けると語っています。他にも、省電力性能の高さ や設置スペースの効率化などにもメリットを感じていると宮里氏は語ります。

今後の展望

今後については、グループ会社全体の基盤としても拡張していきたいと勝田氏は語ります。「グループ会社 と連携していくことで、全体の総合力を高めていくことが経営層の方針として示されています。システム 担当としては、Nutanixを活用していくことで、ワークスタイル変革も含めたグループ全体の底上げを 実現していきたい」と抱負を語っています。

また、将来的にはパブリッククラウドの活用も視野に入れており、柔軟なインフラ運用に向けた環境 整備を実施していきたいとしています。アプリケーション管理の「Nutanix Calm」やDRサイトとしての クラウド連携が可能な「Nutanix Xi Services」にも期待していると宮里氏。また、コンピュートノードや ストレージノードに特化したモデルが今後登場すれば、必要な部分に最適な形でリソースを拡張 できると宮里氏は期待を寄せています。なお、Nutanix独自のハイパーバイザー、AHV(Acropolis Hypervisor)については、「インテグレーターが提案しやすい環境づくりを整備していただくことで、 市場の中でAHVが広がってくるはず。将来的にはぜひ活用してみたい」と最後に語りました。