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金融トレーダーもリモートで業務継続スムーズに新型コロナに対応

ケン・カプラン */ The Forecast by Nutanix

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新型コロナウイルスが世界中で流行し、社員が在宅勤務を余儀なくされる中、英・大手資産会社JM Finn社は自社のプライベートクラウドデータセンターを活用し、仮想デスクトップ技術の拡大を迅速に進めた。

これにより、高性能なワークステーションアプリのストリーミングが可能となり、スピードが鍵となるトレーダー業務も、リモートへ移行することができた。これをいかにして実現したのか、同社でITを統括し、CISO(最高情報セキュリティ責任者)も務めるジョン・コッソン氏にお話を伺った。

「新型コロナウイルスのまん延に伴い、従業員の安全を確保するため、オフィスは軒並み閉鎖となりました。そうした状況下でも、金融機関や株式市場はその役割を十分に果たすべく全力を尽くしました。ロンドンに拠点をおき、資産管理事業を展開するJM Finn社は、在宅勤務となった従業員400名を対象に、自社の充実したテクノロジーにリモートでアクセスできる環境を整えました。ディーラーやトレーダーも、状況の変化に影響されることなく、業務を継続することができました」とコッソン氏。

JM Finn社では、3月の第1週目、社員に在宅勤務が指示された。同社でITを統括し、CISOも務めるコッソン氏は、この時チームとともに迅速に行動し、自宅で勤務しながらも社内のアプリケーションやデータにアクセスできる体制を構築した。

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コッソン氏 「在宅勤務の間、従業員の多くにはノートPCを使用していました。一方で、高性能なワークステーションを使い、マルチスクリーンでの作業が必要な一部社員には、会社のプライベートクラウドから自宅の作業環境へ直接ストリーミングするという対応をとりました。これにより、株の売買や取引をスムーズに行うことができました」

また、コッソン氏は 「ディーラーやトレーダーはパワーユーザーです。大容量のストレージと高速なメモリを備えたパワフルなマシンが必要な点において、通常の業務環境とは事情がまるで異なります」と話した。

スピード、正確性、オペレーショナルレジリエンス、セキュリティ、そしてデータの保護は、金融サービスにおいて最重要事項だ。証券取引となればなおさらだろう。

新型コロナウイルスのパンデミックに際し、金融業界で働く人々も、身を守るために在宅勤務を余儀なくされた。これと同時に、自宅からでも必要なリソースにアクセスし、業務を行える環境を用意すべく、各社のITチームは慌てて対応を開始した。

危機的状況下で取引がままならず、証券を十分に管理できないとなれば、顧客に莫大な損失を与えてしまいかねない。JM Finn社が素早く対応できたのは、拡張が容易なソフトウェア定義のITインフラを、この危機的状況の直前に構築していたためだ。

トレーダーの自宅には、取引にあたってもはや最強とも言える機能が用意された。トレーダーのようなパワーユーザーは、業務を遂行するにあたって8つものスクリーンを必要とする。

JM Finn社のデータセンターは、HPのハードウェアとNutanixの企業向けクラウドソフトウェアで構築されているが、最近はVDI(仮想化デスクトップ)を活用し、このデータセンターでフル稼働する金融系アプリケーションをストリーミングするという手法を採用していた。VDIの適用範囲を広げ、今ではパワーユーザーだけでなく、JM Finn社の全従業員が必要なリソースにアクセスできるようになった。
これは、インターネットにアクセスし、ブラウザから仮想マシンにログインするだけで、業務を開始することが可能なのだ。信頼性の高いコンピューティングは、処理速度も申し分ない。「自社のプライベートクラウドでVDIを運用することで、夢のような環境が実現した」とコッソン氏は話す。

「このテクノロジーに感動を覚えています」とコッソン氏は、いかなる遅延やシステムダウンも許容できない業務に携わるパワーユーザーの反応について話した。

続けて――「その動作は光の速さに匹敵すると思えるほどです」とコッソン氏。JM Finn社においてパワーユーザー全員の在宅勤務が同時に実現したのは、これが初めてとのことで、こうした環境を構築する必要に迫られ、同業他社の多くが悪戦苦闘しているとも話す。

今回、1週間足らずでVDIをセットアップし、運用開始に漕ぎつけられた理由として、インフラストラクチャを適切に構築していた点をコッソン氏は挙げている。また、次のように、コッソン氏は警鐘を鳴らす。

「仮想化は極めて重要な技術です。ところが金融事業者の多くが、これを優先的に導入しようとしてきませんでした。これは明白な事実です。こうしたニーズを満たすにあたり、多くの企業がクラウドサービスの利用を検討しますが、規制に留意することを忘れてはなりません。クラウドによるソリューションの中には、こうした観点から適切でないものも多数存在するのです」とコッソン氏。

プライベートクラウドがITのリモートを可能に

ニュータニックスが提供するプライベートクラウドインフラストラクチャにより、VDIの運用のみならず、JM Finn社のあらゆる業務が円滑に進んでいるという。

コッソン氏 「プライベートクラウドは在宅勤務する従業員の安全を確保しながら高い生産性を維持する点で、重要な役割を果たしています。新型コロナウイルスによる危機的状況の下、システム管理者や開発担当者など、18名のITスタッフも在宅勤務となりました。社員をサポートし、事業を継続させなければならないため、エンドユーザー目線の使いやすさを重視しながら、セキュリティも確保できるテクノロジーを採用しました」

「安定感があること、そして規制要件を満たしていることも重要な要素でした。従業員が自宅から安全にログインできるようにしなければなりません。すでに二要素認証を導入しており、全従業員について、PIN(個人識別番号)を再設定する段取りを整えました」とコッソン氏。

在宅勤務の指示が出た際、各メンバーが必要に応じてサービスデスクの役割を果たせるよう、ITチームの体制を変更したという。そして7日後、ロンドン本社から在宅勤務への移行が行われ、安全な労働環境が確保された。
コッソン氏 「ニュータニックスのVDIにより、ITチームは社外にいながらも、素早い問題解決を実現しています」

コッソン氏はさらに続ける――「社員をサポートするにあたり、支障はほとんどありません。今のような状況では、極めて多くのことがコントロール不能です。株式市場も世界も、思い通りに動かすことはできません。しかし、社内に必要な体制を敷くことは可能です。

リモートで業務を継続し、いつもと変わらない高品質なサービスをお客様へ提供する体制です」。

今回コッソン氏が実感したのは、適切な技術基盤に前もって投資することがいかに重要かということだ。必要になってから準備するのでは、手遅れになりかねない。計画を立てること自体はもちろん無駄ではないが、机上だけの理論と「実践」は全くの別物だ。

物事は計画通りに進んでくれない。適切な技術基盤を用意しておかなければ、いざというときに機敏に動くことはできない。柔軟性とセキュリティはもちろんのこと、エンドユーザーにとって使いやすいかどうかも大切なポイントだ。

「ニュータニックスの優れたインフラストラクチャに投資した結果、当社は記録的な速さで在宅勤務への切り替えを行うことができました」とコッソン氏は、留意すべき事項として次の3点をあげている。

●規制の遵守 :昨今の状況に迅速に対応するにあたり、クラウドソリューションが選択肢となる場合が多いだろう。データの保護やセキュリティといった観点から、そうしたソリューションが規制要件に則っているかどうか、ITチームによる確認が必要だ。

●パワーユーザーのサポート :パワーユーザーが在宅勤務に移行できないといったケースも少なくない。JM Finn社はパフォーマンスやセキュリティを犠牲にすることなく、社員の在宅勤務を可能にした。

●適切なインフラストラクチャの構築 :JM Finn社拡張可能な仮想プライベートクラウドインフラストラクチャを採用していたことで、ほぼ全従業員分の在宅勤務環境を、約1週間で整えることができた。新しく何かを考え出したわけではなく、ただ新たなテクノロジーを採用しただけだと、コッソン氏は述べている。

コッソン氏は「こうした事態を予測していたわけではないものの、昨年、システム強化に伴い、VDIの運用を開始していました。今年は、全面的にニュータニックスのサービスに切り替える予定です」とも話した。ニュータニックスでは、引き続きJM Finn社をサポートしていく。

(2020年4月17日, THE FORECAST by NUTANIX)
記事構成:ニュータニックス・ニュース! 編集部, Nutanix Japan

*ケン・カプランは、ニュータニックスが発行するメディアThe Forecast by Nutanix, 編集長。

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