「医療の基幹システムや部門システムの可用性やサイバーセキュリティ、そして運用性を高いレベルで確保するうえでNutanix Cloud Platformは最良の選択肢であり、その有用性は我々が身をもって証明してきました。それにプラスしてNutanix Kubernetes Platformを採用したことで、安定した基盤の上で今後のAI活用を見据えた環境が整えられました」
社会医療法人財団慈泉会 相澤病院は、長野県松本市の基幹病院として1908年の創業から1世紀以上の歴史を持つ急性期病院1 です。24時間365日の救急医療を中心に、地域医療支援病院として地域の医療機関と連携し、がん、脳卒中、心臓病、糖尿病などに対して高度で良質な医療を提供するとともに、相澤東病院、相澤健康センター、地域在宅医療支援センターなどと慈泉会を形成しています。2026年4月時点の病床数は456床に及び、診療科目数は38科目、職員数は約2,000名に上ります。
グループ全体のIT基盤の運用管理を担う相澤病院 医療情報システム部の小日向隆行氏は、部が直面している課題について「救急医療を支える当院のシステムには24時間365日の安定稼働が強く求められ、近年はサイバーセキュリティ対策の強化も必須です。また、慢性化する人手不足への対応として、DX推進による『意思決定の高度化』『部門間連携の円滑化』『業務の効率化』を図り、限られた人員で医療の質と安全性を維持できる運営体制の確立も急務となっています」と説明します。
一方、医療材料費や人件費の増加により病院経営は厳しさを増しており、「新技術の導入に際しては費用対効果・運用負荷・拡張性を総合的に見極めた投資判断が必要です。IT基盤においては、安定稼働とセキュリティ確保を基本としつつ、新たなデジタル技術を柔軟に取り込める拡張性も求められています」と小日向氏は述べます。
*1 急性期病院:病気・けがの発症直後(約14日以内)や手術前後など、症状が急激に変化する重症患者に対し、24時間体制で高度・専門的な治療や手術を集中して行う病院
以上のような課題への対応策として、同院は2021年に「Nutanix Cloud Platform(NCP)」を導入しました。その理由について、小日向氏は「以前は、3Tier構成の従来型の仮想化基盤を使って電子カルテやオーダリング、医事会計などの基幹システムを運用していましたが、ストレージの増強やハイパーバイザーの更新に多くの手間がかかり、運用管理の負担が膨らんでいました。そこで、システムの高い可用性を維持しながらコンピューティングリソースを必要に応じて容易に拡張できて、無駄のない投資が可能なNCPの採用に踏み切りました」と説明し、こう続けます。
「他社のHCI製品もいくつか検討しましたが、NCPのアーキテクチャが最も優れていると判断しました。また、NCPの管理機能である『LCM(Life Cycle Manager)』も魅力的で、その活用を通じてクラスターを稼働させたままノード単位でファームウェアやハイパーバイザーをローリング更新できます。これによって、無停止運用を続けながらセキュリティパッチの適用やアップデートができ、医療システムを提供する基盤として必要な要件を満たせると考えました。」
NCPを導入した同院では、3ノード/8仮想マシンの構成から運用をスタートさせ、段階的な増強を進めました。2026年4月時点で基幹システムと部門システムを支える50台以上の仮想サーバをNCP上で運用するに至っています。
さらに、この度、同院ではNCP上でAI活用などのDX基盤を整えるべく「Kubernetes2」のクラスターを安全かつ一貫して運用できる「Nutanix Kubernetes Platform(NKP)」の新たに採用を決定し、2026年4月から活用を始動させています。
*2 Kubernetes:オープンソースのコンテナオーケストレーションツール。多数のコンテナ化されたアプリケーションを自動的にデプロイ、スケーリング、運用管理する機能を提供する2021年の稼働開始以降、NCPはシステムダウンを一度も起こすことなく安定稼働を継続しています。また、ノードの増設だけでリソース追加が完結するため、限られた予算の中でも計画的かつ費用対効果の高い基盤拡張が実現されています。
小日向氏は、LCMの有用性にも言及し、こう述べます。「例えば、2023年以降、サイバーセキュリティ対策は医療機関の義務となり、厚生労働省からはシステムの脆弱性対策として『セキュリティパッチの適用』が求められています。LCMを使ったソフトウェア更新の自動化により、そうした対策運用を、限りあるITの人的リソースで確実に遂行できる体制が築けています」
さらに、NKPの導入効果について同氏は「Kubernetesはシステム間連携やAPI、データ処理基盤の構築・展開・更新を標準化・自動化できる優れた技術です。安定性と拡張性に優れたNCPという基盤の上でその可能性を検証できることには大きな意義があります。そのメリットを生かし、当院におけるKubernetesの有効なユースケースをさまざまに検証・探索しています」と説明します。
小日向氏は、NKPの活用をオンプレミスAI活用基盤の整備へと発展させることも視野に入れています。その点について同氏は次のように抱負を示し、締めくくっています。
「患者の機微な情報を扱う医療機関では、オンプレミス環境でのデータガバナンスが必要です。そのための環境を整えるうえで、NCPとNKP、そしてNKPベースの生成AI基盤を提供する『Nutanix Enterprise AI』の組み合わせが有効になるのではと考えています。それらの活用を前提にRAGチャットボット3 などのAI環境の利活用を通じて、AI時代のIT基盤運用手法や医療者の働き方改革と医療サービスの質向上を両立させる仕組みの可能性を探っていきたいと考えています。」
*3 RAGチャットボット:RAGは「Retrieval-Augmented Generation:検索拡張生成」の略称。RAGチャットボットとは、生成AIに社内文書やマニュアルなどを検索・結合する技術を組み合わせたチャットボットのこと©2026 Nutanix, Inc. All rights reserved. Nutanix, the Nutanix logo and all Nutanix product and service names mentioned are registered trademarks or trademarks of Nutanix, Inc. in the United States and other countries. Kubernetes is a registered trademark of the Linux Foundation. All other brand names mentioned are for identification purposes only and may be the trademarks of their respective holder(s).
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