企業向けAIエージェント基盤をオンプレミスやクラウドで構築可能に。ベアメタルへのKubernetes展開も。Nutanix .NEXT 2026

Publickey/ 2026年5月26日
2026年5月26日掲載記事より転載

本記事はPublickeyより許諾を得て掲載しています。

記事URL https://www.publickey1.jp/blog/26/aikubernetesnutanix_next_2026pr.html

Nutanixが4月に米シカゴで開催した年次イベント「Nutanix .NEXT 2026」で発表した「Nutanix Agentic AI」を始めとする新たな製品群は、現在のIT部門やシステムインテグレータ、サービスプロバイダなどが直面するさまざまな課題を包括的に解決するプラットフォームとして打ち出されました。

さまざまな課題とは、例えばオンプレミスからマルチクラウドにまで分散したエンタープライズIT基盤上でAIモデルの実行基盤の構築と運用、クラウド移行やコンテナ型仮想化の採用によるITインフラのモダナイズの実現、既存のストレージやサーバ、仮想化基盤の資産の保護など、複数の異なるインフラとレイヤにわたるものです。

Run Anything Anywhere

Nutanix .NEXT 2026の基調講演に登壇した同社社長兼最高経営責任者 Rajiv Ramaswami(ラジブ・ラマスワミ)氏

複雑さを増すこれらの課題を、個別のソリューションではなく単一のプラットフォーム「Nutanix Cloud Platform」で包括的に解決する。これがNutanixが提供する最大の価値といえるでしょう。

Nutanix .NEXT 2026での主な発表内容を見ていきましょう。

「Nutanix Agentic AI」はAIエージェントのためのフルスタックを提供

企業が生成AIをどのように取り入れ活用していくかが、その企業の優位性を大きく左右することを、いまや多くのIT関係者が認識していることでしょう。

今回発表された「Nutanix Agentic AI」ソリューションは、企業やサービスプロバイダがエージェント型AIアプリケーションを構築し実行、提供するためのフルスタックを提供します。

Nutanix Agentic AI

実行基盤としてオンプレミスやプライベートクラウドのサーバ群とパブリッククラウドが提供するインスタンスの両方をサポートすることで、柔軟かつ統合されたインフラを構築します。

その上にAIサービスのカタログからベクトルデータベース、開発ツールや運用ツール、そしてさまざまなAIモデルを展開、実行することで多様なAIアプリケーションの開発や運用を実現します。

Open-Source Catalog

複数のAIモデルに対応したルーティングを行う「AI Gateway」を備え、用途や目的、コストなどによって自動的にAIモデルを切り替えて使うことが可能です。

今後はプロンプトを分析したうえで、簡単な質問やタスクであれば小さくて低コストなAIモデルへ、複雑な質問や要求であれば高度なAIモデルへとプロンプトをルーティングすることで、正確性を保ちつつトークン当たりのコストを下げ、効率的にAIを活用できるような機能も計画されています。

NAI AI Gateway

Nutanix Agentic AIソリューションが提供するこれらすべての機能が、オンプレミスやAWS、Microsoft Azure、Google Cloudなどのパブリッククラウドのどこでも、あるいは複数のインフラに分散したプラットフォーム上で利用可能となります。

そしてこれらがNutanixによる単一のプラットフォームとして統合されていることで、全体としてシンプルで効率的な管理や運用、セキュリティ、オブザーバビリティなどを実現するのです。

Bringing Nutanix's operational model to the AI factory.

さらにテナントごとの分離機能も備え、サービスプロバイダがAIサービスを提供するユースケースにも対応予定です。

4月に来日した同社社長兼最高経営責任者 Rajiv Ramaswami(ラジブ・ラマスワミ)氏は、Nutanix Agentic AIであればエッジやオンプレミスでのAI処理とパブリッククラウドでのAI処理のどちらも単一のプラットフォームで構築し、組み合わせることができると話し、これが既存のパブリッククラウドだけで提供されているAIサービスと比較した際の優位点の1つだとしました。

ベアメタルにKubernetesを展開できる「NKP Metal」

Nutanixは仮想化ハイパーバイザとストレージの仮想化を基盤としたハイパーコンバージドシステムの技術を、パブリッククラウドおよびコンテナ型仮想化とKubernetesへと拡大し、統合されたNutanix Cloud Platformとしています。

そして今回のNutanix .NEXT 2026でこのNutanix Cloud Platformの新機能として発表されたのが、ベアメタルの上に直接Kubernetesを展開できる「Nutanix Kubernetes Platform Metal」(以下、NKP Metal)です。

NKP Metal

NKP Metalはこれまで一般的だった、ベアメタルの上に仮想化ハイパーバイザを載せ、仮想マシン上にKubernetesを展開するアーキテクチャから仮想化ハイパーバイザを取り去ることで、そのオーバーヘッドを減らすことを可能にします。

Dual Native Architecture

これにより、Nutanix Cloud Platformによる一貫したシンプルな構成を保ちつつ、例えば小さなコンピューティングリソースしか投入できないエッジでのKubernetesの活用や、徹底的に高密度かつ高性能なコンピューティングパワーを追求する必要があるAIトレーニングなどを始めとした連続した高負荷処理に適応したシステム構成が実現されます。

Use cases when using bare metal containers

外部ストレージとしてNetAppの対応を発表

ここまで見てきたように、Nutanixは同社のプラットフォームをオンプレミス、パブリッククラウド、そしてベアメタルまで包括するものとし、そのうえに仮想マシンとコンテナによるアプリケーションプラットフォーム、高性能な独自のストレージやデータベースサービスなどを展開しています。

昨年にはEverpure(旧Pure Storage)とDell PowerStoreへの対応によりオンプレミスで活用されてきた既存のストレージシステムをそのままNutanixのプラットフォームに統合することを実現しました。

さらに今年、対応ストレージとしてNetAppが加わることが発表されました

Apps

Nutanixの仮想化ハイパーバイザであるAHVがNetAppのエンタープライズストレージOSであるONTAPと技術的に統合されることで、NetAppのSANストレージやNASストレージの性能やセキュリティ、レジリエンスなどはそのまま、Nutanix Cloud Platformで活用できます。

Nutanix Cloud Perform with Net App

そのうえでNutanix Cloud Platformのシンプルな管理画面から統一的な運用管理が可能になり、運用負荷の軽減も期待されます。

また、NetAppの仮想化ハイパーバイザー移行ツールであるNetApp Shift ToolkitとNutanixの移行ツールであるNutanix Moveを活用することで、データを保持したまま既存の仮想化ハイパーバイザからNutanix Cloud PlatformのAHVへと短時間での変換を予定しています。

本当のエンジニアリングに注力できる環境を実現する

これらNutanix .NEXT 2026における発表は、Nutanix Cloud Platformがさまざまなアプリケーションをさまざまなインフラで実行可能にする「Run Anything Anywhere」の方向性をさらに推し進めると同時に、コンテナ型仮想化やKubernetesの対応拡大による「Modernize Apps」のためのプラットフォームとしての充実度をさらに高めることを明らかにしました。

そして今後の企業の競争力を大きく左右するであろうAIの活用においては「Agentic AI」でその実現を大きく後押しする能力を備えます。

企業の管理者にとってこれは、従来の「終わりのない移行作業や複雑性の管理」から解放され、次世代のビジネス成果を生み出すための本当のエンジニアリングへと注力できる環境を実現するプラットフォームだといえるでしょう。

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