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近畿労働金庫、Nutanix Cloud Platform環境に1本化し、金融デジタル化に向けた頑強で柔軟な基盤を構築へ

インフラモダナイゼーション環境のパイオニアが可能にしたシステム構成の柔軟性や高いメンテナンス性がセキュリティ・脆弱性対策に活きる 

導入によるビジネスのメリット

  • 運用業務の手間削減による他業務対応の工数増
  • 内部問い合わせ窓口の1本化による顧客対応スピードの向上
  • アップデート自動化による脆弱性、セキュリティ対応の迅速化
  • イニシャルコスト、保守・ランニングコストの削減
  • システム稼働後に発生したアプリケーションの増加への迅速な対応
近畿労働金庫 デジタル推進部 担当部長 岸田晃治 氏

「金融業界でも、さまざまな業者がサイバー攻撃を受けている状況ですが、 当庫ではファームウェアのアップデートなど、極力遅れが出ないように対応 しています。特に新環境における脆弱性診断の対応など、でき得る限り攻撃 されない環境作りに努めています。Nutanix Cloud Platformを導入したこと により、運用管理面で余裕のできた工数をセキュリティ対策に振り向けられ るメリットはとても大きいと考えられます」

近畿労働金庫 デジタル推進部   担当部長 岸田晃治 氏
近畿労働金庫 デジタル推進部 専任役 山﨑智司 氏

「 Nutanix Cloud Platformを選択したことで、構成を非常にシンプルにできました。問い合わせに関しても、今まで複数社で対応してもらっていたのですが、 兼松エレクトロニクスとNutanixに集約することで、単純かつ迅速に対応でき るようになりました。一括してさまざまな案件に対処していただけているので、 非常に良かったと感じています」

近畿労働金庫 デジタル推進部   専任役 山﨑智司 氏

背景と課題

近畿労働金庫(近畿ろうきん)は、滋賀県、奈良県、京都府、大阪府、和歌山県、兵庫県の近畿2府4県を営業エリアとする福祉金融機関。主な顧客は、労働組合や生活協同組合などの団体と所属する組合員をはじめとする勤労者です。金融業界全体が、低金利政策に伴う収益性の低下に見舞われる中、労働金庫業態においては、労働組合の組織率や組合員数の低下も重要な課題となっています。

働く人たちを主な顧客とした非営利の福祉金融機関として、近畿ろうきんはその役割を果たすために、『「資産形成のアドバイス」のさらなる強化』や、『高金利のローン利用防止と他行ローンの借換え強化』、『ウィズコロナ時代における組合員への生活支援』を柱とする生活応援運動に取り組んでいます。また、次年度から始まる第9次中期経営計画に先駆けてパーパス(社会的な存在意義)を制定し、生活応援運動をさらに展開・拡大していくための施策を計画中です。

今後の施策の一環として、非対面・非接触による取引の推進、ユーザーアプリケーションによる夜間対応など取引チャネルの拡充、多様なサービス提供など、デジタル技術の活用が挙げられています。また、労働金庫業態が2030年に予定する勘定系・情報系システムの更改に向け、現状の汎用機メインからオープン系やクラウドを考慮した環境の構築も検討中です。

ソリューション

今回、近畿ろうきんが導入したのは、Nutanix Cloud Platformソフトウェアが稼働するホスト5台、スイッチ2台、物理バックアップサーバー1台、テープライブラリ1台から成るHCI構成です。このような環境で、庫内用のグループウェアやメールソフトウェア、独自に開発した業務アプリケーションが稼働しています。

従来、近畿ろうきんは、2Uラックベースの筐体を使ったVMware vSAN環境によるHCI構成を利用していました。ところが、vSANがまだ未成熟の頃に導入したためにトラブルが多発し、結果、当時利用していたMSCS(Microsoft Cluster Service)がVMware vSAN環境では稼働できないことが導入後に判明したため、問題を解消するために3Tier構成の環境を別途用意し、対応してきました。VMware vSANは運用側の不慣れもあり、管理に手間が大変かかっていたところに、追加した環境によって2系統に分かれたため、障害時の問い合わせ対応が煩雑という問題もありました。

リプレース検討時、導入当初から稼働させていたサーバーOSのバージョンアップが進んだことによるMSCSの利用がなくなったこと、3Tier構成による複雑な構成や管理を避けることから、できる限りシンプルな環境の導入を目指して、Nutanix Cloud Platformによるインフラストラクチャーのモダナイゼーションを選択しました。Nutanixを選んだ理由として、デジタル推進部専任役の山﨑智司氏は「異なるハードウェアでクラスターを組める柔軟性や、基本的にワンクリックで対応できるメンテナンス性の高さ、それに付随したセキュリティや脆弱性対応の容易さ」を挙げ、「インフラモダナイゼーションのパイオニアであるNutanixを選んだ」と言います。

導入効果

NutanixのHCI構成を導入して、山﨑氏は「構成が非常にシンプルになった」と言います。この結果、障害などの問い合わせに関しても、原則、ベンダーの兼松エレクトロニクス(KEL)1本に窓口を集約でき、運用業務も手間がかからず、対応のスピードも向上したとのこと。

さらに、アップデート作業もコンパチビリティ確認の自動化などで容易になりました。障害が現在のところ発生していない点や、障害予兆に関しても、わかりやすい管理画面で作業効率が上がっています。その結果、空いた時間を脆弱性やセキュリティ対応などに割くことができるようになりました。

また、リソース不足を感じた場合も、シンプルにスケールアウトできるところが大きなメリットとなっています。近畿ろうきんでは、当時の環境におけるサーバー台数を想定して仮想環境を構築したため、リプレースから半年後に、リソース不足を懸念してノード追加を実施しました。その際に、Nutanix Cloud Platformのスケールアウトの容易さとともに、KELの迅速な対応によって、わずか1日の組み込み作業で完了したと言います。

システム構築コストの観点からも、「物理環境から仮想化することによって、イニシャルコストや保守・ランニングコスト、それらに関わる管理面の工数も含めて、大きく低減できた」と、デジタル推進部担当部長の岸田晃治氏はその結果を高く評価しています。

今後の展開

今後、近畿ろうきんでは、デジタル化による取引のフルセルフ化とセミセルフ化を推進していきます。ろうきん専用のアプリケーションやキャッシュレス決済などにより、事務処理の削減や勘定ミスなどの事務事故の削減につなげたいとしています。また、申し込み手続きにおけるWebシステムの活用やオンライン相談へのチャットの導入などを検討し、顧客サービス向上を推進していきます。

システム面では、コストや管理を考え、仮想化を進めていく予定です。当面の目標として、現在5ノードで運用しているNutanixシステムに1ホストを追加し6ホストのクラスタにして、運用中の物理環境をそこに載せることで、コスト面と管理面でのメリットを出していきたいと考えています。さらにサポート面でも、KELを含め、今後も迅速で適切な対応を期待しているとしています。

KEL logo

kelnutanix@ml.co.jp | www.kel.co.jp/

兼松エレクトロニクス株式会社
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