Nutanix Data Services for Kubernetes(NDK)2.0:ファイルストレージ向けの同期/非同期レプリケーションを通じ、Kubernetesのディザスタリカバリを進化

*本内容は米国カリフォルニア州サンノゼで現地時間2025年11月11日に発表されたブログの抄訳版です。原文はこちらをご参照ください。

メディアアラート
2025年11月17日

エンタープライズのモダンアプリケーションでKubernetes®の採用が加速する中、エンタープライズグレードの堅牢なデータサービスの必要性は、かつてないほど高まっています。Nutanix Data Services for Kubernetes 2.0のリリースにより、ファイルストレージ向けの同期/非同期レプリケーションのサポートが実現したことで、Nutanixのステートフルなクラウドネイティブなワークロード向けのデータ保護は大きなな進化を遂げています。

Nutanixはこれまで、ブロックストレージ向けの同期/非同期レプリケーションをサポートしてきました。今回のリリースでは、お客様は自社のアプリケーションに適した階層型ディザスタリカバリ(DR)戦略を柔軟に設計しつつ、Nutanixの強味であるシンプルな運用とレジリエンスを維持できます。これにより、ブロックとファイル両方のレプリケーションによる保護が可能になりました。

重要な理由:Kubernetesでのディザスタリカバリのギャップ

ディザスタリカバリ(DR)は、事業継続性の基礎となる要素です。しかし、Kubernetes環境、とくに、障害ドメイン全体でゼロデータ損失(RPO=0)と最小限のダウンタイム(RTO)が求められるステートフルなアプリケーションの場合、DRソリューションが追いついていないのが現状です。

Kubernetesで稼働するミッションクリティカルなワークロードを保護する際には、粒度やパフォーマンス、使い勝手が重要ですが、従来型のDRツールはこうした特性を欠いています。特に、複数クラスター間のフェイルオーバー、永続ボリュームのレプリケーション、アプリケーション認識型のリカバリについては、課題が顕著です。

こうしたギャップを解消するため、NDK 2.0ではKubernetesアプリ向けのDR機能を拡張し、従来のブロックベースのストレージ(NDK 1.3でサポート)に加えて、ファイルベースのストレージにも対応しました。

NDK 2.0の新要素

従来のNutanix Volumes Block Storageに加えて、のNDK 2.0では、Nutanix Files Storageを基盤とするReadWriteMany(RWX)ボリューム向けに同期/非同期レプリケーションを導入しています。これにより、以下が可能になります。

  • 複数サイトのファイルとブロック両方のストレージを対象に、データの一貫性と即時のフェイルオーバーを実現
  • 両ストレージタイプ向けの地理的に分散したデータ保護を行い、エンタープライズのガバナンス/コンプライアンス目標を支援
  • ストレージタイプに依存しない、集中管理型のレプリケーションポリシーとリカバリプランを提供

NDK 2.0では、Kubernetesアプリケーションの復旧作業がさらに容易になります。新しいNDKレシピにより、アプリケーションが永続ストレージでNutanix Files Storage、またはNutanix Volumesを使用する場合も、プラットフォームチームはクラスター間の計画的/非計画的のフェイルオーバーを自動化できるようになります。NDKレシピは、必要な工程のすべてを自動的に実行し、順序付けを行うことで、人的ミスを最小限に抑えつつ、重要なオペレーションの時間を節約します。

これより、プラットフォームチームは、ミッションクリティカルなアプリ向けのゼロデータ損失から、一般的なビジネスワークロード向けの構成可能なRPOまで、アプリケーションのニーズに基づき保護レベルを設定できます。

ニーズに応じた階層型の保護

NutanixのNDK 2.0では、Kubernetes向けに以下の階層型データ保護モデルを採用しています。

  • Tier0:ミッションクリティカルなアプリ
    同期レプリケーションにより、Nutanixのクラスタやリージョンを横断した、ゼロRPOと即時フェイルオーバーを実現
  • Tier1:ビジネスクリティカルなアプリ
    非同期レプリケーションにより、パフォーマンスや保護と、構成可能なRPO(例:1時間以内)と予測可能なリカバリ時間のバランスを実現

同期/非同期のサポートにより、企業にとっては、オンプレミス環境で運用してきたディザスタリカバリ戦略をクラウドネイティブ環境でも再現でき、かつシンプルで一貫性のある運用を維持しながら、ワークロードごとに適切な保護レベルを選択できます。

graphic to app and persistent storage replication

統合的かつシンプルな運用

データサービスのシンプルな運用は、Nutanixの特長ですが、これはクラウドネイティブ環境への拡張という形でNDK 2.0にも継承されます。Nutanix Kubernetes Platform(NKP)上で、Kubernetesをオンプレミスで実行する際、NDKは、統合型のプラットフォームを通じてブロックとファイル両方のストレージをサポートします。単一のコントロールプレーンで、データサービス、レプリケーション、フェイルオーバーの運用を管理することで、複数環境にまたがる保護ワークフローを合理化できます。

さらに、アプリケーション所有者、プラットフォームエンジニア、IT管理者には、一貫した体験が等しく提供されます。複雑性を低減し、リカバリを迅速化し、ステートフルなKubernetesアプリケーションを企業のハイブリッドクラウド戦略の中核に据えることが可能になります。

今後について

NDK 2.0によって、Nutanixは、Kubernetes向けネイティブデータサービスの新たな基準を確立していきます。エンタープライズグレードのレプリケーションとクラウドネイティブの柔軟性が組み合わさることで、お客様は自社の最も重要なアプリケーションをあらゆる環境で確実に実行・保護できます。

レガシーアプリのモダナイズ、新規クラウドネイティブサービスの構築、ハイブリッド環境を横断した運用など、NDK 2.0はあらゆるケースで、保護、リカバリ、スケーリングを確実に行うためのツールを提供します。

既存のお客様は、NDK 2.0にアップグレードをすることですぐにご利用いただけるほか、ブロックおよびファイル向けの同期/非同期レプリケーションの活用を即座に開始して、ディザスタリカバリを強化することも可能です。

Nutanix Cloud Platform for Kubernetesを検討中の企業は、NDKを採用することで、組み込みのデータ保護、シンプルな運用、ハイブリッドクラウドの柔軟性に対応したステートフルなアプリケーションを導入初日から容易に実行できます。今すぐテストドライブをお試しいただき、Nutanix Kubernetes PlatformとNutanix Data Services for Kubernetesの真価を体験してください。