牛久市、職員のリモートワーク環境構築とセキュリティ対策にNutanix を採用

Nutanix Cloud Platform をベースとしたシンクライアント環境により、セキュリティの確保と共に、デジタル推進課の作業を4分の1に削減

業界

地方自治体

課題

  • 業務毎の端末の使い分けの煩雑さ
  • リモートワークに順応しない有線LAN利用の限界
  • 法規制に対応したセキュリティレベルの維持
  • ITシステムの運用負担の増大

ソリューション

Nutanix クラウドインフラストラクチャ (NCI)

  • AOS Storage
  • AHV Hypervisor
  • Flow Network Security

Citrix Virtual Apps and Desktops

アプリケーション

  • 自治体業務用アプリケーション
  • 行政管理システム

導入によるビジネスのメリット

  • セキュアなネットワーク環境導入による職員の柔軟な勤務体系の確立
  • 情報系とイントラ系の異なる業務環境の統合とセキュリティ確保の両立
  • 市職員によるITシステム管理の負担を4分の1に激減

「デスクトップ仮想化と無線LANを導入し、自由に IT 環境を活用できるため、分散勤務という新しい働き方が楽になりました。セキュリティを保ちつつ、1台のノートPCで業務内容に応じて情報系、イントラ系の仮想デスクトップ環境を切り替えて利用でき、利便性も確保した仕組みとなっています」

課題

茨城県南部の牛久市は、都心へのアクセスが便利な位置にあり、自然も豊かで商業施設も充実しており、90.3% という高い市民満足度を誇ります。全国の自治体でデジタルトランスフォーメーション(DX)が求められる中、2022年4月、牛久市でも自治体が取り組むべきDX 戦略に対応するため、デジタル推進課が中心となり、制度の整備調査や業務の洗い出しなど、DX 本格導入に向けた準備を開始しました。

牛久市では、コロナ禍が発生した当初、職員の PC 環境は有線接続が必要で、基幹系、情報系、イントラ系の3系統ありました。職員には基幹系用のノート PC と情報系用のノート PC が2台配布され、業務ごとに端末を使い分ける必要がありました。また、インターネット接続は各課でデスクトップ1台という運用ルールになっていため、調べごとは已む無く各個人のスマートフォンを利用することもありました。

緊急事態宣言などにより、職員の急な分散勤務要請があった場合、職員自身が都度配線の引き直しを行う必要があり、業務時間が圧迫されていました。また、系統ごとに端末を準備 していたため、机上のスペースが制限されるという業務環境の課題にも直面していました。

ソリューション

牛久市は、業務毎に異なるネットワーク環境を使い分ける煩雑さを解消し、急な業務環境の変化への迅速にするため、庁内ネットワークの無線LAN化と、情報系、イントラ系の2系統の業務を行えるシンクライアントを導入しました。いずれの系統も重要な行政情報を扱うIT環境のため、ネットワークと端末環境は共にセキュリティ面を十分に考慮する必要がありました。

牛久市では、各職員が1台のシンクライアントで運用する場合も、情報系とイントラ系の間では全ての通信を通さないようにしなければいけません。情報系のデータがイントラ系の環境に共有されないようにするなど、行政運営上の厳しいセキュリティを担保する方法で設計することが不可欠でした。こうした要件をクリアするソリューションとして牛久市が着目したのがハイパーコンバージド・インフラストラクチャ(HCI)でした。HCI では、イントラ系と情報系を別システムではなく、単一システム上で論理的に分離し、セキュリティを確保することができるので、コスト低減にもつながります。

複数の HCI ソリューション検討の結果、今回新たに採用されたのが、Nutanix Cloud Platform とマイクロセグメンテーションを実現する Flow Network Security でした。牛久市 市民部 デジタル推進課 課長の大町泰介氏は、「約600台のシンクライアント端末と無線LANの アクセスポイントを新たに導入し、ほぼ全職員がその環境を利用しています。デスクトップ仮想化と無線LANの導入により、自由に IT 環境を活用できるため、分散勤務という新しい働き方が楽になりました。セキュリティを保ちつつ、1台のノートPCで業務内容に応じて情報系、イントラ系の仮想デスクトップ環境を切り替えて利用でき、利便性も確保した仕組みとなっています」と述べています。

導入効果

今回の Nutanix の採用により、デジタル推進課の IT 担当者の運用効率が大幅に改善し、臨機応変なテレワークが可能なIT環境が整っています。「分散勤務のための準備作業は、これまで5名の職員が1日がかりで行っていましたが、現在は2~3名の職員で半日程度で行える ようになり、複雑なIT環境の設定作業が従来の 4 分の 1 になりました」と、牛久市 市民部 デジタル推進課 主査 滝本 和樹氏は付け加えます。

以前より牛久市のIT環境を支援してきたパートナー、株式会社日立システムズ 産業・流通プラットフォーム事業部東日本サービス本部 第五サービス部 第二グループの杉浦 卓弥氏は、「Nutanix は実績と信頼性が高く、Prism による操作もスムーズでレスポンスがとても良いです。 Flow Network Security はGUI で簡単に通信制御ができるので、運用負担を増やすことなく脅威からシステムを守ることができます。クライアント環境には VDI と RDS (Remote Desktop Services) を併用しましたが、イントラ系と情報系の各セグメントの VDIとRDSサーバーから出入りする通信を Flow Network Security で制限でき、ネットワークと端末環境のセキュリティを確保することができました」と評価します。

今後の展開 

デジタル推進課では、引き続き、市民や職員の利便性向上のため、日立システムズと連携しながら、Nutanixも活用し、低コストで利用しやすいIT環境を構築し続ける方針です。

 

 

Ushiku City members

左から順に、牛久市 市民部 デジタル推進課 主任 坂本 英洋氏、同課 主査 滝本 和樹氏、同課 課長 大町 泰介氏、
株式会社日立システムズ 関東甲信越支社 第一営業本部 茨城支店 第一グループ 主任 塚田 陽佳氏、
産業・流通プラットフォーム事業部 東日本サービス本部 第五サービス部 第二グループ 仲澤 義市氏、杉浦 卓弥氏