北日本放送、放送局を支えるサーバー仮想化とVDI基盤をNutanixで一元管理

Nutanix Filesによるシステム統合とファイルの可視化

業界

通信・メディア業界

課題

  • 深刻化する仮想化環境のリソースの過不足
  • 3層構成システムの個別保守体系
  • 仮想基盤の移行とシステム更新時のコスト削減

ソリューション

Nutanix Cloud Platform

  • Nutanix AOS
  • Nutanix AHV
  • Nutanix Prism
  • Nutanix Files

アプリケーション

  • データベース
  • Webサーバー
  • 業務システム
  • ドキュメントや動画用ファイルサーバー
  •  VMware ESXiとStorage vMotion
  •  Citrix Virtual Apps and Desktops

「Nutanix Prismを利用することでシステム全体の状態が把握でき、File Analytics によりファイルの可視化も可能になりました。ディスクへのボトルネックが解消され、バックアップ時の所要時間が約50%削減できたのは、Nutanix の分散ファイルシステム(DFS)でストレージ性能が向上したことが原因と考えられます」

導入によるビジネスのメリット

  • 仮想化環境のパフォーマンスの向上
  • サーバー仮想化環境とVDI環境の統合による運用管理の簡素化
  • 低コストかつスムーズな仮想インフラの移行

課題

北日本放送は、「ふるさと富山のいつも、いっちゃん。」をキャッチフレーズに、富山県全域にテレビ番組やラジオを放送するローカル放送局です。県内唯一のテレビとラジオを兼営する放送事業者として開局以来、富山県内の最新ニュースや地域のさまざまな情報を幅広く発信しており、近年ではSNSやYouTubeを通した情報発信も行っています。

北日本放送では、2015年よりデータベース、Web、業務システム、ドキュメントや動画の保管、VDIユーザープロファイルとフォルダリダイレクト用のファイルサーバーなど、約100台のサーバーと共有ストレージを3層構成システム上で仮想化して運用していました。さらに2016年より、新たにCitrix Virtual Apps and Desktops (当時 Citrix XenDesktop) を活用した約200台の仮想デスクトップ(VDI)環境を導入しました。これらのシステムを5年以上利用する中、さまざまな課題に直面しました。

北日本放送株式会社 業務本部編成業務局IT推進部次長の寺西徹氏は「サーバーのCPUリソースには問題ありませんでしたが、メモリが極端に不足し、パフォーマンスにも影響を及ぼしていました。仮想環境のリソースの過不足が深刻化し、サーバー、ストレージ、ネットワーク機器の保守体系がバラバラなため管理の負担が大きく、VDIの運用コストを削減することも急務でした」と語ります。

ソリューション

リソース不足、VDIの運用コスト削減、ハードウェアの保守統合といった課題を乗り越えるべく、北日本放送が選択したのは、Nutanix Cloud Platformでした。約100台のサーバー用インフラと共有ストレージからなる従来の環境を、2020年10月、Nutanixのサーバー仮想化環境に移行して、リソース不足の解決とシステムの保守統合を実現しました。

寺西氏は「データベースを含む1TB以上のディスクを持つ複数の仮想マシンがありましたが、VMware Storage vMotion を活用してNutanix上のESXi環境に無事移行できました。また、30TB程度のファイルサーバーはIPを変えずに短時間に移行する必要がありましたが、バックアップソフトやrobocopyを活用して4時間程度でファイルをNutanix Filesの共有ストレージ環境へ移行できました」と説明します。

サーバー仮想化環境を利用して、VDI環境更新に向けた検証を実施しました。「テストはCitrix Virtual Apps and Desktops を利用して3層構成システムとNutanix環境で比較しました。vCPUとvRAMおよびvGPUを利用したVDIを用意し、動画を再生してその動きとパフォーマンスを評価した結果、4vCPU 環境でも3層構成システムでのvGPU環境以上の動画再生能力がありました。Nutanix のデータローカリティー機能の効果だと考えています」と寺西氏は振り返ります。この検証を踏まえ、サーバー仮想化環境に続き、2021年5月にVDI基盤もNutanixに移行することに決定しました。

導入効果

今回の新しいサーバー仮想化環境では、サーバーとストレージの統合により、システム全体の運用の効率化と性能の向上が図れました。寺西氏は「Nutanix Prismを利用することでシステム全体の状態が把握でき、Nutanix FilesのFile Analytics機能によりファイルの可視化も可能になりました。また、ディスクへのボトルネックが解消され、バックアップ時の所要時間が約50%削減できたのは、Nutanix の分散ファイルシステム(DFS)でストレージ性能が向上したことが原因と考えられます」と語ります。

VDI環境は、パフォーマンスの向上とコスト削減が実現できました。「サーバー仮想化環境の25GbEの低遅延なネットワークを流用ながら、Nutanixが提供する無償のハイパーバイザーNutanix AHVを採用することでコストを削減し、AHV TurboモードでI/O処理を高速化することができました」と寺西氏は評価します。

サーバー仮想化環境とVDI環境は、旧来の3層構成システム環境から新たにNutanix環境に移行し、統合完了後はNutanix Prism Centralを活用して両環境を一元管理でき、ITシステム全体の運用の効率化も図れています。

今後の展開

パフォーマンスとコスト効率を向上した北日本放送では、今後もインフラのさらなる更新やニューノーマル時代に向けた対応を検討しています。

「今後は、Nutanixを活用したDRサイトを構築したいと思っています。また、VDI環境でのリモート会議や動画配信の対応も検討中です」と寺西氏は語ってくださいました。