北見工業大学、 Nutanixを採用して三大学の経営を統合

距離を超えた大学組織、教育、研究の連携とサービス最適化による業務効率の向上を実現する大学DXをNutanix Cloud Platformで推進

業界

学校・教育業界

課題

  • 三大学のIT管理に最適化な環境に統合
  • イノベーション創出や遠隔教育環境整備
  • 将来的な構想に向けて柔軟に拡張できる基盤づくり

ソリューション

Nutanixクラウドインフラストラクチャー

  • AOS Storage

Nutanix クラウドマネージャー

  • Intelligent Operations
  • Self Service

Nutanix ユニファイドストレージ

  • Files Storage

アプリケーション

  • RADIUSサーバー
  • ログサーバー
  • 運用管理サーバー

導入によるビジネスのメリット

  • 三大学の経営統合に必要なネットワークおよびICTシステム基盤統合の実現
  • 教職員や研究者など利用者のニーズに合わせたサービス提供が可能
  • 柔軟に拡張できる基盤整備による経営統合後の将来構想の強力

「三大学のITを連携した経営は着実に成果を上げています。重要なのはネットワークやICTシステム基盤が有機的に統合されたクラウド基盤であることです。利用者側からのさまざまな要求に対して複数のクラウドサービスを組み合わせることで、最適化された環境整備につながると考えています」

課題

工学系の単科大学として1966年に開学、「自然と調和するテクノロジーの発展」をコンセプトに、北海道での知の拠点として高度な技術者を数多く輩出している国立大学法人北見工業大学。2022年の小樽商科大学および帯広畜産大学との三大学の経営統合に向け、「経営改革」「連携教育」「オープンイノベーション」「遠隔教育」の4つの取り組みを進めています。

ネットワークやICTシステム基盤、業務システム、VDI環境などを全て同一のプラットフォームで構築するという基盤の標準化を目指しました。大学機構統合前の準備期間に認証ゲートウェイや運用管理システムと、北見・小樽・帯広の三大学向けの仮想化システムの環境整備を実施し、統合後は三大学連携遠隔教育やオープンイノベーションセンターを開設する計画です。2027年には全学生が新システムを利用開始できるよう新たな基盤づくりが急務でした。

「堅牢性や拡張性など全ての環境が満たされているのが理想ですが、これまでは調達方法の関係でシステムの導入時期が異なり、部分最適化されているもののバラバラな環境で運用してきました。利用者のニーズに柔軟に応えることができる新たな環境整備が課題でした」と北見工業大学 情報処理センター長 教授の升井洋志氏は説明します。

ソリューション

新たなシステム基盤の選定では、拡張性に課題のあった3層構成ではなく、堅牢性や拡張性、柔軟性の高いハイパーコンバージドインフラストラクチャー(HCI)をベースにしたプライベートクラウド基盤を前提に検討を進めました。升井氏は、「大学実行面では、パブリッククラウドを基盤システムに導入した経験がなく、手順なども整備されていません。また、学内にある研究データが保管されたストレージとの連携が可能で、学内で設定されたセキュリティポリシーとの整合性を満たすプライベートクラウド基盤が最適だと考えました」と述べています。

三大学統合に向けた環境整備の方針とこれらのシステム要件を満たし、拡張性の課題解消につながる基盤として Nutanix Cloud Platform の採用を決定しました。現時点ではまだハイパーバイザーに VMware を選択していますが、将来的に Nutanix AHV へ切り替えてクラウド基盤との親和性を高めながらコスト削減を図る予定です。また、経営統合を進める三大学の統合ネットワークやICTシステム基盤には数多くの仮想サーバーが稼働します。Nutanix Cloud Managerのインテリジェントな運用により、利用状況に応じた柔軟なリソース割り当てや仮想サーバー間でのリソースの最適化、無停止でのリソースの拡張が可能な点も高く評価されました。

統合前の準備期間に6台の仮想サーバーにNutanixを導入し、認証ゲートウェイを含むネットワーク環境の整備を行いました。北見用に180台、小樽用に30台、帯広用に30台、合計240台の仮想サーバーを稼働する共通ICTシステム基盤としてNutanixで環境を整備し、サーバー仮想化と集約、運用効率化と自動化、将来に向けたサーバー環境の統合が実現できました。

導入効果

NutanixをICTシステム基盤とすることで、3つの分野に秀でた三大学の学術連携とオープンイノベーション活動の重要な基盤ができあがりました。IoT、ロボティクス、データサイエンス技術を有する北見工業大学、データ解析やマーケティングを得意とする小樽商科大学、農業ニーズ、気象データ、地形データを持つ帯広畜産大学です。

「アプリケーション環境を安全に移行ができたのは、システム基盤がシームレスに統合されているからだといっても過言ではありません。Nutanixクラウドマネージャーをもっと活用できれば、三大学が円滑に利用できるICT基盤になるはずです」と升井氏は語ってくださいました。

さらに升井氏は次のように付け加えます。「重要なのはネットワークやICTシステム基盤が有機的に統合されたクラウド基盤であることです。利用者側からのさまざまな要求に対して複数のクラウドサービスを組み合わせることで、最適化された環境整備につながると考えています。 Nutanixを共通基盤として、Nutanixが提供するファイルストレージやセルフサービスなどを利用することで、これらの要件に対応することができるのです」。

今後の展開

今後、2025年ごろから構想をスタートさせる計画となっている第2期大学機構統合に向けて、ファイル管理や分散配置といった基盤として求められる環境を整備し、サーバー基盤の統合やデータ統合、そしてDR対策などに Nutanix が活用される見込みです。

「北見工業大学をデータセンター化していくことを目指しています。2022年4月に行う学術情報ネットワーク(SINET6: Science Information NETwork 6)への移行に伴って、200Gbpsというネットワークの大幅な増速を進めており、北海道にあるSINETのデータセンターと距離が近いという北見の地の利を生かし、全国の大学が検討する分散拠点やDR拠点として活用してもらえるようにしたいと考えています」と、升井氏は今後の展望について述べています。