明日佳グループ、電子カルテや医事会計など 医療システムの基盤を構築

企業

2000年に札幌江仁会病院の運営から スタートし、医療法人社団 明日佳を中心 に、医療法人や社会福祉法人を数多く傘 下に持つ明日佳グループ。医療療養病棟 や介護老人保健施設などを手掛ける医 療介護事業をはじめ、脳神経外科を中心 とする急性期の医療事業や人間ドック、 職場健診などを中心とする健康診断事業、 専門外来・一般病棟などの地域の医療事 業など、さまざまな事業を展開。「人に優 しく」をグループの基本理念に据え、施設 利用者やその家族に「優しい」医療・ 介護・サービスを提供

業界

医療介護業界

課題

  • DPC(診断群分類包括評価)データ提 出の義務化に伴うシステム化が急務に
  • システム専任者が不在で、運用管理の 外部委託が必要
  • 機微なデータだけにパブリッククラウドで の運用は抵抗があった
  • グループ全体への展開も含めた柔軟な 拡張性のある基盤が必要

ソリューション

  • Nutanix NX シリーズ
  • Nutanix Enterprise Cloud OS
    • Nutanix AHV
    • Prism

導入によるビジネスのメリット

  • わずか4か月という短期間での立ち上げに成功
  • コストパフォーマンスの高いシステムを構築
  • 電子カルテシステムの安定運用を実現
  • 医師や看護師など現場が処理の高速化を実感
  • 充実のサポート保守で安心感が得られた

「医療情報をパブリッククラウドで管理するのは抵抗 がある。事業拡大に向けて、安全かつ柔軟に拡張できる インフラが何よりも必要でした」

「我々の事業拡張に追随できる柔軟な拡張性を持って いるのは大きなポイントです。ノードを追加するだけで システムを止めることなくユーザーへのサービス可用 性を保ったまま拡張できますし、使い勝手のいい管理 ツールで運用負荷も軽減できます」

課題

2000 年に札幌江仁会病院の運営からスタートし、医療法人社団 明日佳を中心に、医療法人や社会福祉法人を数多く傘下に持つ 明日佳グループ。医療療養病棟や介護老人保健施設などを手掛ける医療介護事業をはじめ、脳神経外科を中心とする急性期の医療事業や 人間ドック、職場健診などを中心とする健康診断事業、専門外来・一般病棟などの地域の医療事業など、さまざまな事業を展開しています。 「人に優しく」をグループの基本理念に据え、施設利用者やその家族に「優しい」医療・介護・サービスを提供しています。

2 年に一度、大規模な法改正が実施される医療業界において、2018 年度の診療報酬改定では、200 床を超える慢性期病院において DPC( 診断群分類包括評価) データ提出が義務化されました。そこで療養型の慢性期病院を複数運用している明日佳グループでは、データ 提出が可能な環境づくりに向けて、電子カルテシステムの導入を検討することになったと札幌明日佳病院 事務次長 新田 晃久氏は当時 を振り返ります。「電子カルテシステムの導入がデータ提出義務化に対応できる方法の1 つであり、我々にとって一番有用だと考えたのです」。 ただし、同グループには専任のシステム管理者が不在だったこともあり、電子カルテの運用管理そのものを外部に委託することを前提に検討。 「特別養護老人ホームの新設を含め、事業拡張を積極的に行っていくグループの方針に対応できるよう、閉域網にてデータセンター内に プライベートクラウド環境を整備してセキュリティを確保しつつ、高い拡張性を持った基盤構築を目指したのです」と朝倉氏。

ソリューション

そこで同グループが選択したのが、株式会社レゾナの「i-MEDIC 電子カルテシステム」であり、その基盤としてのNutanix Enterprise Cloud OS でした。「我々の事業拡張に追随できる柔軟な拡張性を持っているのは大きなポイントです。ノードを追加するだけでシステムを 止めることなくユーザーへのサービス可用性を保ったまま拡張できますし、使い勝手のいい管理ツールで運用負荷も軽減できます」と語る のは札幌明日佳病院 事務次長 新田 晃久氏です。将来的には、個別に運用している勤怠管理や財務会計システムなどの業務アプリケーション を新たな基盤に乗せることも視野に、その拡張性を高く評価しました。

また大きなポイントの1 つが、Nutanix が提供するハイパーバイザー「AHV」の存在です。「AHV は追加コスト無しで提供されており、 VMware と比べても機能的にそん色ありません。コストパフォーマンスの良さも高く評価しました」と新田氏。さらに、Nutanix を採用する 企業が増えており、市場シェアの高さについても信頼性の評価につながったポイントだと力説します。

「事業戦略の面でも他社に比べて明確で、今後のラインナップや新たな機能についてもうなずける面がありました」と説明します。なかでも トラフィックの可視化やマイクロセグメンテーションによるセキュリティ強化などに役立つNutanix Flow を活用すれば、小規模な施設にも コンテナ化された環境で提供可能に。基盤を提供するデータセンターを運用するコアネットインタナショナル株式会社からも、先進性の 面で評価の声が寄せられていたのです

結果

現在は、コアネットインタナショナル株式会社のデータセンター 内にNutanix NX シリーズが4 ノード構成で展開されており、ハイパー バイザーにAHV を採用、Windows Server が持つリモートデスクトップ機能を利用して電子カルテを利用するだけでなく、Active Directory による認証機能も実装しています。また、医事会計システムや総合介護支援システムなども同一基盤の上に展開しており、バック エンドで動くDB も複数同時に動かしています。現状は3 つの病院に展開済みで、アクセスする端末は200 台ほど、利用している職員 数は700 を超える規模となっています。

実際には、わずか4 か月という短期間のうちに基盤の整備から電子カルテの実装、そしてオペレーション教育までを実施しました。「サーバ やストレージごとの設定作業や接続テストまで行う必要のある従来の3 層構成では、こんなに短期間での導入は難しい。短期間で稼働 できたのは、Nutanix が貢献している部分が少なからずあります」と新田氏は評価します。

すでに本稼働から半年以上が経過していますが、安定稼働を続けていると語ります。「Prism 画面から切り分けが容易ですし、洗練された インターフェースで運用しやすいと聞いています」と新田氏。電子カルテを利用する医師や看護師からもパフォーマンスの良さが評価 されています。「革新的設計のおかげで、操作説明を行ったオンプレミスの環境よりもプライベートクラウドの環境のほうが早いと評判 です。現場は全くクラウドを意識することなく利用できています」と新田氏。なお、故障時のハードウェア保守のメニューも充実しており、 「ハードウェアは基本的に消耗品なので、どこの製品でも壊れるときは壊れます。その場合でもスピーディに対応していただける環境を 用意していただけて感謝しています」と朝倉氏は評価します。

今後の展開

今後については、グループ内にある病院や介護サービス施設への展開も計画されており、必要に応じてノード追加も含めて柔軟に拡張 していく予定です。「医療法人の統合が大きな潮流となっている今、新たな法人をグループに迎え入れる際にも、柔軟に拡張できる Nutanix が役立つはず」と朝倉氏。また、機微な情報である電子カルテ内のデータを暗号化することも検討しており、Ultimate エディ ションに含まれるデータ暗号化の機能を使っていきたいと今後について語っていただきました。

現在日本においては、医療連携や地域医療情報連携ネットワークの推進、医療データ利用拡大のための基盤整備など、医療や介護領 域におけるICT 化が積極的に進められています。今回のプロジェクトが、同グループが取り組む医療情報のデジタル化における第一歩 となることでしょう。