執筆者:シニアテクニカルマーケティングエンジニア Mat Brown
クラウドがもたらす価値は、柔軟性と効率性、そして自社の望む形でビジネスを運営できることにあります。ライセンスの移植性は確かにその重要な要素です。ただし、それは大きなパズルのほんの一部に過ぎません。真のクラウドの自由とは、単にライセンスを移動できることではなく、ワークロードの稼働場所を問わず、その調達・利用・保護の方法を自由に選べることを意味します。
Nutanix では、お客さまが主導権を持つとは、プラットフォームに合わせるのではなく、お客さまのニーズに応じて柔軟に対応できるプラットフォームを提供することだと考えています。これは、ビジネスの実情に即した柔軟な商用モデルと、予算を圧迫せずに高いレジリエンスを実現する技術ソリューションを提供することを意味します。
真のハイブリッド・マルチクラウドプラットフォームは、多様な利用ニーズに対応しなければなりません。画一的なサブスクリプションモデルでは、変化の激しいモダンビジネスのダイナミックな性質を反映できません。Nutanix は、比類のない柔軟性を提供する多面的なライセンスモデルを採用しています。
BYOL(Bring-Your-Own-License):既存の投資価値を最大限に引き出すことを可能にします。Nutanix のライセンスポータビリティにより、Nutanix Cloud Platform ソリューションの期間ベースライセンスを、オンプレミスデータセンターとパブリッククラウド上で稼働する Nutanix Cloud Clusters(NC2) 間で自由に移動できます。
これにより、移行や災害復旧のためにソフトウェアを再購入する必要がなく、費用対効果の高い運用が可能です。
クラウドマーケットプレイスでの調達:クラウドプロバイダーとの契約に基づいて支出を管理している組織は、Nutanix を AWS および Azure マーケットプレイスからも利用できます。
これにより、AWS のエンタープライズ割引プログラム(EDP)や Microsoft Azure の消費コミットメント(MACC)など、あらかじめ契約しているクラウド支出を活用して Nutanix ソフトウェアを購入できます。
また、調達プロセスが効率化されるため、クラウドのコミットメントの消化をスムーズに進めることができます。
他社がこのモデルから離れる傾向にあるなか、Nutanix はこれを「お客さまの選択の自由」を支える基本要素と位置づけています。
また、既存のライセンスを定常的なワークロードに活用し、超過分や一時的な容量急増時には従量課金制を活用するなど、複数のモデルを組み合わせることも可能です。
これこそが真の柔軟性です。
図 1:Nutanixクラウドプラットフォーム
柔軟性は、ライセンスだけでなくアーキテクチャにも広がります。Nutanix は、オンデマンドスケーリング、異種混在(異なるノードタイプ)、AWS 環境での EBS 接続、NMST(Nutanixマルチクラウドスナップショットテクノロジー)によるオブジェクトストレージへのスナップショット保存など、多彩な NC2 機能を通じて「真の柔軟性」を実現しています。なかでも、この柔軟性が最も真価を発揮するのが、災害復旧(DR)のユースケースです。
従来の DR では、オンプレミスに高価で遊休状態のインフラを備えたセカンダリサイトを維持する必要があり、フェイルオーバープロセスの管理やテストにも多大なコストが発生します。さらに、一部のベンダーは、複製やオーケストレーションソリューションに VM 単位でライセンスを供与しており、それによる追加コストだけでなく、予期せぬコスト超過や保護レベルの低下を招く恐れがあります。
オンデマンドで従量課金制のサービスが普及する現代において、こうしたコストの正当化が困難だと感じる組織が増えているのが実情です。
Nutanix は、Nutanix マルチクラウドスナップショットテクノロジー(NMST)により、固定型の DR 環境に対する強力で費用対効果の高い代替手段を提供します。NMST は Nutanix ネイティブの機能であり、プライマリ Nutanix クラスタのスナップショットを、AWS S3 や Azure Blob などのクラウド上の低コストなオブジェクトストレージに直接レプリケートすることを可能にします。
これにより、以下のような極めて効率的な DR 戦略が可能となります。
図 2: パイロットライトを備えた NMST
Nutanix の従量課金制(PAYG)ライセンスと NMST による DR の相乗効果は、業界のゲームチェンジャーです。ワークロードを低コストのオブジェクトストレージで保護し、クラウドコンピューティングインフラの利用料金は、テストやフェイルオーバーを実行している間のみ発生します。何よりも優れているのは、NMST は Nutanix Cloud Infrastructure(NCI) ライセンスに統合されており、追加費用の発生しない統合機能である点です。
さらに、NMST を含む Nutanix のネイティブ DR 機能はマルチサイト構成をサポートしており、コンプライアンス対応や既存のレプリケーションに追加の保護層として、データの第三のコピーをオブジェクトストレージに容易に送信することが可能です。
真のハイブリッド・マルチクラウドの自由とは、単なるライセンスの移植性だけではありません。あらゆるワークロードに最適な商用モデルと技術アーキテクチャを自由に選択できることを意味します。他社が選択肢を制限することで提供内容を簡素化するなか、Nutanix は選択肢の拡大に引き続き取り組んでいます。
Nutanix における「お客さまの条件で」とは、既存ライセンスの活用、クラウドマーケットプレイス経由の調達、オンデマンドの従量課金制の利用、を意味します。これには、多額の先行投資を必要とせず、コスト効率に優れたオンデマンド DR ソリューションを構築する自由も含みます。すなわち、クラウドジャーニーにおける真の制御と主導権をお客さま自身が握ることです。
Nutanix Cloud Clusters(NC2)と DR ユースケースに関して詳しくは、以下をご覧ください。
Broadcom による VMware 買収下での Nutanix の支援
https://www.nutanix.com/ja/vmware-alternative
.Next 2025 ブレイクアウトセッションのオンデマンド録画
Flexible Disaster Recovery Options for the Public Cloud
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