クラウドネイティブ技術や AI 活用の加速により、企業の IT 基盤は複雑性の増加や人材不足、サイロ化による管理工数増大などのさまざまな課題に直面している。特に日本では、仮想マシン(VM)の運用と Kubernetes 環境が混在するハイブリッド環境が一般化しており、統合管理の必要性が高まっている。そうした中で、「統合されたクラウドネイティブ基盤」として運用管理の課題を解消するのが、「Nutanix Kubernetes Platform(NKP)」である。
昨今ではクラウドネイティブ技術が企業にも広く普及してきている。この分野ではさまざまな関連技術が存在するが、中でも企業での導入が急速に進んでいるのがコンテナオーケス トレーターの Kubernetes だ。コンテナ環境自体は、企業におけるさまざまなシステムの基盤に利用されているが、近年では、AI の取り組みでも Kubernetes が広く利用されるよう になっている。特に生成 AI は LLM などの AI モデルや開発フレームワーク、GPU 対応など、コンテナや Kubernetes環境を利用することが前提になっており、「AI 活用基盤=コン テナ /Kubernetes 環境」という状況も一部見られている。
このような状況の中で、企業の IT 基盤は大きな変革期を迎えていると言ってよい。特に日本市場では、コンテナとKubernetes の導入が急速に進んだことで、従来からのオンプレミスやクラウドでの仮想マシン(VM)運用と合わせ、ハイブリッド・マルチクラウド環境でのシステム運用が一般化している状況だ。それに伴って企業からニーズが高まってきたのが「統合されたクラウドネイティブ基盤」である。
統合されたクラウドネイティブ基盤とは、クラウドネイティブや AI を推進するための技術や仕組み、方法論、アプローチなどをプラットフォームとしてまとめたものだ。これが必要 になる背景として、企業は IT インフラの管理に次のような課題が生じている。
1つめが複雑性の増加だ。Kubernetes の構成要素やクラウドごとの違いによって、運用が煩雑になっている。例えば、技術的には Kubernetes ディストリビューションや、AI/ 機械学習、CI/CD、セキュリティ、ストレージなどのKubernetes 周辺のコンポーネントが環境ごとに統一されていないと、運用コストは増加してしまう。
2つめの課題が人材不足だ。構造的な人手不足により、クラウドネイティブの専門知識やスキルを持つエンジニアの確保・育成が困難になっている。
3つめに、サイロ化の課題も挙げられる。クラウドネイティブが急速に普及したため、VMとコンテナを分離して運用するケースが多いが、その分非効率な運用管理を強いられることになる。
このサイロ化はセキュリティの不統一にも関係してくる。VM やコンテナ、それらが稼働するオンプレミスや各種クラウドなど環境ごとに統一したセキュリティを適用すべきだが、実際には管理の複雑さにより、それぞれ異なるセキュリティレベルでの運用になってしまいがちだ。
最後に、ステートフルアプリの保護という課題もある。VMはマシンに動作ログやローカルデータが残り続けるいわゆるステートフルな性質があるが、コンテナ環境はそれらが残らないというステートレスを基本原則とする。そのため既存のアプリから移行したステートフルなアプリをどう管理するかはコンテナ運用で大きな課題となる。
こうした課題を解消できるのが、統合されたクラウドネイティブ基盤として提供されるNutanix Kubernetes Platform(NKP)である。NKP は、マイクロサービスやレジリエンシー、オブザーバビリティ、自動化などのクラウドネイティブに適した IT インフラを構築・運用するための各種機能を備えたプラットフォームだ。
Kubernetes をマネージドサービスとして提供するクラウドプロバイダーもいくつかあるが、中にはマネージドとはいいながら提供されるのが Kubernetes 環境のみで、その周辺で必 要となるネットワークやストレージ、オブザーバビリティ、セキュリティ、AI/ 機械学習、自動化などの基盤は自身で構築しなければならないものもある。これに対して NKP では、こうした多様なコンポーネントをすぐに利用できる状態で提供する。 NKP は、プラットフォーム上でさまざまな機能を統合し、複雑性の課題を解消する。例えば、VMとコンテナを統合管理することで、コンテナの構築・運用管理コストの増大を低減できる。また、NKP はオンプレミス、クラウド、エッジに点在する Kubernetes クラスタを一元管理する「フリート管理」機能を備えているため、ハイブリッド・マルチクラウド環境でも一貫した運用性を確保できる。そのため、複数の環境を使い分ける際の複雑性やサイロ化が進展するリスクを低減できる。セキュリティについても、ミリタリーグレードのセキュリティを標準装備し、安心・安全の運用が可能だ。
NKP はプラットフォームとして提供されるため構築にかかる手間が不要であり、運用管理においても特別な知識を必要としない。シンプルな管理性を実現するためノウハウの継 承もしやすく人材不足の課題解決にも有効だろう。
先述した、ステートフルアプリに関しても、NDK(Nutanix Data Services for Kubernetes)を用いたステートフルアプリの DR/ バックアップ対応を実現するほか、自動スケーリング・自己修復・簡易アップグレードなど、運用負荷を軽減する LCM 機能を提供している。
NKP は必要なものがすべて揃った状態でクラウドネイティブを開始できる
NKP はすでにさまざまな企業に採用され、多くの成果を出している。国外ではある大手金融企業が主要なパブリッククラウドを含む、複数の環境で Kubernetes を稼働させたいというニーズと金融業に求められる厳しいセキュリティ基準を満たすために NKP を選定した。運用の複雑さを最大 50% 低減させただけでなく、インフラ運用とアプリ開発が統合されたことで、アプリケーション更新数は年間 120 倍に向上した。
また、大手自動車メーカーでは、Kubernetes 導入に際して、ネットワークやセキュリティ、ストレージ、DR、バックアップ、GitOps、CI/CD 対応、AI などクラウドネイティブ環境に必要なコンポーネントをすべて統合して提供することを評価してNKP を選定した。NKP により、運用コストを最大 80%削減し、プラットフォームの安定性を7 倍にまで向上させた。
ほかにも、大手グローバル企業のほか、軍事・国防などでも採用実績がある。NKP は、統合プラットフォームとしてあらゆるワークロードに対応しながら、多様な環境に活用できる製品だ。採用するコンポーネントはKubernetes をはじめとするオープンソースが基本であり、ベンダーロックインを防げる点も大きなメリットである。クラウドネイティブ時代の IT インフラとして NKPは有力な選択肢となるだろう。
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