Nutanix Agentic AI による AI ファクトリー基盤のオーケストレーションとセキュリティ強化

執筆者:William Parks、Luke Congdon、Aashica Amrith

AI の可能性は計り知れません。一方で、それを支えるインフラには難しい選択が伴います。ベアメタルハードウェアの純粋な処理性能を優先すべきか、それとも仮想化環境がもたらすセキュリティと管理上の利点を重視すべきか。これまで多くの企業がこの二者択一を迫られてきました。しかし現在、Nutanix はこのトレードオフの解消に取り組んでいます。制御性とセキュリティを犠牲にすることなく、ベアメタルに匹敵する処理性能を実現します。

Nutanix は、NVIDIA HGX システムのような GPU 高密度プラットフォームを Nutanix AHV ハイパーバイザーで稼働させ、さらに AI 向けに最適化された System-Defined VM プロファイルと、トポロジー対応スケジューリングを組み合わせることでこれを実現しています。トポロジー対応スケジューリングは、仮想化リソース(vCPU、メモリ)が、それらを利用するハードウェアアクセラレータ(GPU、NIC)と物理的に整合させて配置することで、AI ワークロードのパフォーマンスを向上させます。また、AI 最適化 VM プロファイルは、本来であれば高度な専門知識を要するハードウェア固有の複雑なチューニングを自動化し、最適なパフォーマンスを実現します。

さらに、Nutanix AHV、Nutanix Flow、NKP の統合により、AI 最適化 VM プロファイルを適用した仮想マシンを GPU 高密度な Kubernetes ワーカーノードとして活用できます。これにより、GPU パススルーを伴う複雑な環境においても、AI ワークロードのデプロイを効率的に自動化できます。

このソリューションは、完全なエアギャップ環境や、FIPS 準拠環境にも対応しており、仮想化によるマルチテナンシーとセキュリティを提供するように設計されています。また、大規模な AI ワークロードに必要なスループットとパフォーマンスを提供し、Nutanix Cloud Platform をエンタープライズ向けソブリン AI の基盤となるエンジンへと変革します。

高性能 AI コンピューティング

Nutanix AHV を、ハイパーバイザーが AI ワークロード向けに VM を高いパフォーマンスで配置できるよう最適化しました。

  • トポロジー対応スケジューリング:AHV は、VM を物理 NUMA ノードに配置し、CPU、メモリ、GPU リソースを整合させることで、ワークロードを最適化し、パフォーマンスを最大化します。また、AHV は、プロセッサ間のホップを回避するために、GPU と NIC の適切なマッピングを確保します。このトポロジーを意識したスケジューリングにより、NIC、CPU、メモリといった全てのリソースを GPU に可能な限り近接させて配置し、遅延を最小限に抑えます。これは、遅延を低減するための他の経路が存在する場合でも同様です。
  • 8-GPU パススルー:1 台の VM で HGX ボード上の 8 つの SXM GPU 全てを利用できます。これは、リソースを分割することなくボードの全性能を必要とする大規模な LLM トレーニングおよび推論ジョブにとって極めて重要です。
  • AI 最適化 VM プロファイル:手動によるチューニングはパフォーマンス低下の要因となります。事前に検証済みのプロファイル(例:ai.large.h200.8gpu.cx7_ib)を使用することで、メモリ、CPU、ネットワークに関する NVIDIA 推奨の設定を自動的に適用し、AI に最適化された仮想マシンを確実に構築します。

オーケストレーション:インフラをコードとして扱う

Nutanix AHV と NKP の統合により、プラットフォームエンジニアは、複雑で GPU 密度の高い環境のデプロイを容易に自動化できます。

  • VM プロファイルベースのノードプール:プラットフォームエンジニアは、複雑なハードウェアをコードとして扱えるようになります。NKP で「AI 最適化ワーカープール」を選択するだけで、HGX ベースの適切な VM が自動的にプロビジョニングされ、Kubernetes レイヤーでの高度なハードウェア知識を必要としません。
  • エアギャップ環境でのライフサイクル管理:規制の厳しい業界向けに、Nutanix Agentic AI フルスタックソリューションは、完全にインターネットから切り離された環境での導入を可能にします。クラスタをインターネットに一切接続することなく、NVIDIA GPU およびネットワークオペレーター向けのドライバー更新やネットワーク最適化を自動化できます。
  • ソブリンコンプライアンス(FIPS/STIG):NKP は、OS 層 と Kubernetes 層の両方で FIPS 140-3 および STIG への準拠を徹底し、政府機関やソブリンクラウドの顧客が求める最も厳しい規制要件に対応します。

高度なネットワーキングによる予測可能な高パフォーマンス

エージェンティック AI は、スループットを最大化し、AI ファクトリー全体でのデータフローを保護する、高性能なゼロトラスト基盤を必要とします。

機能AI ワークロードへの影響
トラフィックのセグメンテーションNutanix Flow はトラフィックを分割してスループットを最大化します。GPU トレーニングには InfiniBand/イーサネットを専用化し、データ取り込みは BlueField-3 DPU が処理します。

GPU ダイレクト RDMA

異なるホスト上の GPU がネットワーク経由で直接データを交換できるようにし、ホスト CPU を経由せずに処理することで、レイテンシーを大幅に低減します。
インフラのオフロードNIC モードで動作する BlueField-3(BF3)DPU を活用し、ネットワークデータパスをオフロードすることで、ストレージおよび管理トラフィックを効率的に管理します。これにより、ホストの CPU リソースを計算処理に割り当てることができると同時に、一貫したネットワーク性能を確保します。

AI ファクトリーの可能性を現実に

Nutanix Agentic AI は、AI のための基盤プラットフォームを提供します。その中核となる Nutanix AHV は、トポロジー対応スケジューリングと 8 GPU パススルーを活用することで高いパフォーマンスを実現し、仮想化環境の厳格なマルチテナント性、セキュリティ、ライフサイクルガバナンスを損なうことなく、大規模なモデルに必要な純粋な計算能力を提供します。

AHV と連携してボトルネックを解消する Nutanix Flow は、引き続き高度なソフトウェア定義ネットワークとセキュリティを提供します。また、NVIDIA CX7 ハードウェア上で InfiniBand をサポートし、PCI パススルーおよび 1:1 の GPU-to-NIC マッピングを実現することで、VM に最大スループットと超低遅延を提供します。NKP による AI ワークロードのオーケストレーションと組み合わせることで、エンタープライズ向け AI ファクトリーを構築において、ベアメタルの速度とセキュアな制御の間のトレードオフを解消できます。

このシームレスに統合されたスタックにより、プラットフォームエンジニアリングチームは、パフォーマンスを犠牲にすることなく、インテリジェントでコンプライアンスに準拠した次世代のアプリケーションを展開、保護、スケーリングするための万全の体制を整えることができます。

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