Publickey/ 2026年5月11日
2026年5月11日掲載記事より転載
本記事はPublickeyより許諾を得て掲載しています。
記事URL: https://www.publickey1.jp/blog/26/nutanixawsawspr.html
ここ最近、オンプレミスにおけるシステム調達の不確実性が高くなっていることは多くのIT関係者が感じていることでしょう。
理由の1つには昨年末からのメモリやSSDの価格高騰および品不足があります。予算面でも納期面でも計画的な調達が明らかに難しくなっています。
また、多くの企業が採用している大手仮想化基盤ソフトウェア企業が買収されたことによる影響も小さくありません。予告なく製品ライセンスや料金が大きく変更され、結果として出費の拡大や製品の将来に対する不安が増しているのです。
これらを背景にシステム基盤やシステムインフラの戦略を考えたとき、クラウドの活用とその拡大によるハイブリッドクラウドやディザスタリカバリの構築、その先にあるモダナイズやクラウドネイティブへの変革は最も有力なソリューションと言えます。
そうしたソリューションを提供する代表的なベンダがNutanixです。
同社のリードNC2スペシャリスト高橋岳氏は「お客様自身もクラウドの選択肢をとても重視されていて、オンプレミスからクラウドへ移行したいお客様は非常に多いです。一方で、すでにクラウドを使われているお客様の中にはオンプレミスのハイパーコンバージドも検討したい、というようなケースもございます。
そうしたいろんな組み合わせが進んでいる、というのが我々が今マーケットを見ていて思うことです」と話します。
ニュータニックス・ジャパン合同会社 ハイブリッド・マルチクラウドAPJ リードNC2スペシャリスト 高橋岳氏
同社とグローバルなパートナーシップを展開しているAmazon Web Services(以下、AWS)の日本法人であるアマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社でテクノロジーソリューション本部 本部長を務める河原氏も、クラウド移行への強いニーズが存在するとしました。
「全てのシステムを即座にクラウドネイティブ化することは期間や技術的な制約から難しいため、多くのお客様において、まずは既存の資産をそのままクラウドへ移行したいという強いニーズが存在します」(河原氏)。
そのニーズに対応する上で、Nutanixのソリューションは有用だと河原氏。
「Nutanix Cloud Clusters (NC2) on AWSのような抽象化レイヤーを実現する製品を用いることで、お客様の負担を軽減しつつインフラ環境のクラウド移行やハイブリッドクラウドが実現できます。
そしてその後、Amazon Relational Database Service(Amazon RDS)のようなマネージドサービスを活用することでクラウドのメリットもどんどん享受していただく。AWSにとってNutanixの製品はこの二段階のアプローチをする上でハブになるソリューションと捉えています」(河原氏)。
これを受けてNutanixの高橋岳氏は「オンプレミスのNutanix環境だけでなく、それ以外の仮想環境からでも、システムの設定やアプリケーションを変更することなくそのままの形でAWS環境へ移行できることは、私たちのソリューションの大きなメリットの1つです」としました。
そのNC2とはどのようなソリューションなのでしょうか。
NC2はインフラを抽象化することで、オンプレミスからAWSをはじめとする主要クラウドまで横断してアプリケーション、データ、AIなどを迅速かつ低コストで移行、運用できます。
これによりハイブリッドクラウド、マルチクラウド、ディザスタスタリカバリを容易に構築可能にします。
オンプレミスのネットワークをクラウドまで延伸する「レイヤー2延伸」も利用でき、オンプレミスとクラウドの柔軟なネットワーク構成が可能です。
AWSの仮想ネットワーク環境であるAmazon Virtual Private Cloud(Amazon VPC)をネイティブにそのまま利用できる点も大きな特徴で、これによりAmazon VPC内にあるAWSのサービスとの連携が容易となります。
そのうえでオンプレミスとAWS上のシステムを単一の管理画面「Prism」で操作できるため、既存のIT運用スキルのままクラウド運用へ移行可能です。
このNC2の環境へ、既存のオンプレミスやAWS以外のクラウドなどから迅速かつ容易に移行できるツールが「Nutanix Move」です。
Nutanix Moveは、VMware ESXi、Hyper-V、Amazon EC2、Microsoft Azure VMなどに対応し、システム分析を行ったうえで移行先クラウドにおけるシステム構成を作成。インスタンスのプロビジョニングやAmazon VPCなどの仮想プライベート空間の設定、移行も行ってくれます。
インフラ構成の変更やアプリケーションの書き換えなどは不要なため、最短数週間でデータセンターごと移行が可能。
Nutanixの高橋氏はNutanix Moveの実績について「グローバルでは数万VMを5週間で移行するなど、圧倒的なスピードと移行コストの抑制を実現しています」と話します。
システムをクラウドネイティブに進化させていく上で、コンテナ環境の事実上の標準であるKubernetesの導入、運用の複雑さをどのように解決するかが課題として浮上してきます。
Nutanix Kubernetes Platform(NKP)は、旧D2iQ社の技術を統合し、そうした課題に対するソリューションとして新たに用意されたものです。
Nutanixの町田氏は「オンプレやマルチクラウドなど、複数のコンテナ環境を使い分けながら個別に管理していくのは技術的な負荷が高い。オンプレとAWSも含めて統一的な管理ができるようになるのがNKPのポイントです」と話します。
ニュータニックス・ジャパン合同会社
Japanソリューションアーキテクトチーム アドバイザリーソリューションアーキテクト 町田修一氏
NKPではクラスタのライフサイクル管理から、セキュリティ、可観測性まで、業界標準的なクラウドネイティブソフトウェアの開発を主導するCloud Native Computing Foundation(CNCF)の主要コンポーネントを検証の上でパッケージ化して提供。必要な機能がすべて揃った環境として導入が可能です。
オンプレミス上のKubernetes、NC2上のKubernetes、Amazon Elastic Kubernetes Service(Amazon EKS)まで、複数のKubernetes環境を単一の分かりやすいUIコンソールで一括管理(フリート管理)し、運用の一貫性を保ちます 。
しかも管理下の全クラスターの設定ミスなどの異常、セキュリティ脆弱性、将来廃止されるAPIの使用状況などを一元的にスキャンし、ダッシュボードに表示する「NKP Insights」が用意されています。
このNKP Insightsの利点を町田氏は、「管理している全てのKubernetesクラスタに対する設定ミスや脆弱性を統合的にスキャニングして、一元的に表示してくれます。根本原因や対応するための推奨手順も表示されるため、管理者がKubernetesの深い専門知識を網羅していなくても、提示される手順に従うことで迅速かつ的確に問題に対応できるようになります。これが複数のKubernetes環境を横断して統合されているのです」と語りました。
NutanixとAWSのグローバルなパートナーシップは技術面だけでなく調達面においても展開されています。
例えば、NutanixソフトウェアのサブスクリプションはAWS Marketplaceで購入可能となっており、全体の請求をAWSに一本化できます。これにより通常はベンダごとに行う必要がある社内稟議や購買プロセスを簡素化でき、導入スピードが大幅に向上するでしょう。
AWS Marketplaceで購入した料金がAWSの請求に統合されることで、既存のAWS契約におけるコスト最適化にも貢献します。
AWSのマネージメントコンソールで複数のソフトウェアの更新時期や利用状況を一括管理できるため、運用管理の負担も軽減されることになります。
大規模なクラウド移行を促進するための「AWS Migration Acceleration Program」(MAP)という包括的なフレームワークもAWSが用意しています。
これはオンプレミスからAWSへの移行期間中のオンプレミスとクラウド両方の維持費が発生する場合などに、その負担を軽減する資金援助やツールの提供、技術サポートなどの提供が含まれるものです。
また、日本市場ではディストリビュータ経由の取引が多くの企業で行われています。NutanixとAWSの組み合わせではこの商流に対応し、システムインテグレータなどのリセラーがディストリビューター経由でNutanix製品とAWSインフラをパッケージして提供できる「Designated Seller of Record」(DSOR)と呼ばれる仕組みも提供されています。
このようにNutanixとAWS製品は、仮想マシンであってもコンテナであっても柔軟に移動、運用管理できる自由を顧客に提供できるソリューションを実現していくのです。