企業の IT インフラはクラウド化やコンテナ化、AI 対応などの急速な進化に直面しており、柔軟性・拡張性・運用効率の観点から刷新が求められている。特に VMware 製品のライセンス変更を契機に、国内では IT インフラ移行の検討が加速している。しかし、ダウンタイムへの不安や移行の複雑性が障壁となり、検討が先延ばしになるケースも多い。本稿では、これらの課題を解決し、安全かつ迅速に IT インフラ刷新を実現する具体的なアプローチを紹介する。
近年、業務のデジタル化や AI 活用が進む中で、IT インフラの刷新が急務となっている。一方で多くの企業はインフラ移行のプロジェクトにおいて何らかの障壁に直面することも多い。その 1 つは移行の複雑性である。運用モデルの変更や既存エコシステムとの統合、ライセンスの再設計など考慮すべき要素は多岐にわたる。また、これは計画段階でも同様であり、要件定義やテスト計画、関係者調整などプロジェクト管理の負荷が大きい。さらに、ダウンタイムへの不安も少なくない。業務やシステムを停止するリスクや予期せぬトラブルへの懸念が移行に二の足を踏む要因になっている。
ほか、技術的負債の継承が障壁になることもある。すなわち、旧環境のまま移行することで非効率な構成がそのまま残ってしまうリスクである。このようなインフラ移行は大規模環境の場合にさらに困難になりがちであり、数百から数千の仮想マシン(VM)を移行するにあたっては投入する時間やリソースも相応なものとなり、プロジェクトの成否を左右する。
こうした多岐にわたる課題が重なることで、インフラ刷新の検討が先延ばしになってしまうケースが多く発生しているのだ。
このようなインフラ移行の課題を解消するソリューションとして適しているのが Nutanix Cloud Platform である。実際に IDC のレポートによれば、Nutanix 環境への移行によってコスト削減、運用の効率化、可用性の向上といったさまざまな観点から大きな効果が確認されている。
特に注目すべきは、アーキテクチャのシンプル化だ。例えば VMware 環境では、vSphere をはじめ、DR やネットワークセキュリティ、自動化など、機能ごとに複数のコンポーネントが必要となる一方で、Nutanix Cloud Platform ではこれらの機能が Prism Central 内に統合されており、コンポーネント数を大幅に削減できる。管理対象が減ることで、運用負荷とコストの両面で改善が見込める。
ハイパーバイザーについても、Nutanix AHV Virtualizationは 2014 年の誕生から 11 年の実績を持ち、採用率も年々増加しており、2025 年以降もさらなる伸びが見込まれている。「AHV は対応アプリケーションが少ないのでは」と懸念する声も一部聞かれるが、実際には「Nutanix Ready AHV」認証には現在 1,200 以上のアプリケーションが含まれており、バックアップ、ネットワーク & セキュリティ、VDIなどさまざまなカテゴリにて主要な製品が対応しており、さらに日々続々と追加されている。
Nutanix Cloud Platform が移行先として適しているもう1つの理由には、同社の提供する無償の移行ツール「Nutanix Move」の有用性も大きい。同ツールは登場から 7 年以上が経過し、1,000 社以上で導入され、50 万 VM 以上の移行実績を持つ。無償でありながらもNutanix Cloud Infrastructure(NCI)と同様のサポートが提供される点も特徴だ。
同ツールの強みは3つある。1つはシンプルなオペレーションだ。Prism Central のマーケットプレイスから簡単にデプロイでき、マイグレーションプラン単位で複数並列に移行を実行できる。2 つ目が1クリックマイグレーションである。アプリケーションの再構成や設計変更は不要で、移行の中でソースとターゲットのネットワークマッピングを行うため、煩雑な設定も必要ない。GUI または API を介して移行を実行できる柔軟性も備えている。3 つ目が最小のダウンタイムだ。Nutanix Move はデータ移行とカットオーバーを個別に実施することで、移行時のダウンタイムを短縮化するほか、カットオーバー前にワークロードのテストも実施できるため、安心して移行を進められる。
Nutanix Move がこうした強みを実現できる理由は、そのアーキテクチャにある。Move は Nutanix 環境にデプロイする仮想アプライアンスとして動作し、移行元と移行先の橋渡し役となる。重要なのはエージェントレスで動作する点だ。Move は移行元のハイパーバイザーに API 経由で接続してVMの情報を取得する。移行元のOS や VM 内に特別なエージェントをインストールする必要はなく、移行に伴う複雑な手間やリスクを劇的に削減できる点が特徴の1つとなっている。
Nutanix Move の特徴
Move は大規模環境にも対応している。1 マイグレーションプランあたり最大 100VM まで登録でき、それ以上の場合でも複数のマイグレーションプランの並列処理が可能だ。また、複数の Nutanix Move アプライアンスの同時実行も可能であり、この複数アプライアンスが必要になるケースとしては、移行時間を短縮したい場合、ESXi と Hyper-V のように複数のハイパーバイザーから同時に移行する場合、ネットワークが分離された複数環境の移行を行う場合などもある。
移行のベストプラクティスも確立されており、カットオーバーは初回の事前転送から数週間以内に実施することなどが推奨されている。セキュリティ要件でリモートアクセスなどが失敗する企業も少なくない。その場合は、ユーザーアカウント制御と Windowsリモート管理の設定変更を検討し、必要に応じて自動から手動モードに切り替えることも重要だ。
Nutanix Move はファイルサーバーの移行にも対応しており、SMB 2.0 以上と NFS 3 をサポートしている。FSVM(Nutanix Files Storage 環境作成時に生成されるファイルサーバーのVM)が直接移行元からデータを取得するため、プロキシマシンは不要だ。パフォーマンスも良好で、ACLも維持される。
さらに、Nutanix Move 6.0では、NSX からFlow Network Security へのポリシー移行機能も追加されている。これにより、マイクロセグメンテーションなどのネットワークセキュリティポリシーも含めた包括的な移行が可能となった。
インフラ移行の不安を解消し、確実な刷新を実現するには、実績あるツール、明確なメソドロジー、そして手厚いサポート体制が不可欠だ。Nutanix Move は、これらを統合的に提供することでビジネスを止めずに、安全かつ迅速なインフラ刷新を可能にしている。これまで 50 万 VM 超におよぶ移行実績を誇っており、インフラ刷新において有効かつ現実的な選択肢の 1 つと言えるだろう。
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