お客様

日経統合システム、IaaS基盤の不具合検知と通知機能を自動化し、Nutanix Cloud Platform でBCP対策を強化

パブリッククラウドの活用も視野に、ITインフラの一元的なバックアップ管理を実現

業界

情報通信サービス

課題

  • IaaSのデータバックアップに活用していた無償ツールの提供とサポート終了
  • 従来のデータバックアップ運用を維持しながら、効率性を向上
  • 運用コストとオーバーヘッドによる負荷
  • データバックアップ作業にかかる管理工数

ソリューション

  • Nutanix Cloud Platform

アプリケーション

  • セキュアWebサービス

導入によるビジネスのメリット

  •  IaaSのための安定したデータバックアップ環境を実現
  • データバックアップ環境の運用コスト削減
  • 複数の仮想化基盤からなるIaaSのデータバックアップ管理を一元化
  • バックアップ管理工数の削減により業務の効率化を実現

 

「Nutanix Cloud Platform の採用は、データバックアップ運用の効率化の実現だけではなく、パブリッククラウドと連携した先端技術によるサービス改革を前進させます。今後も、Nutanixが提供する優れた機能をお客様の価値へと転換していきたいと考えています」

株式会社日経統合システム データセンター事業本部 三島 徹生 氏

会社概要

株式会社日経統合システムは、1987年の創業以来、日経グループの情報インフラ拠点として培った情報システム運用管理、システム開発、ネットワーク構築などの技術やノウハウを日経グループ以外の企業にも提供しています。同社は、データセンター事業を展開し、ハウジングやコロケーション、事務スペース、仮想化技術を用いたホスティング、さらにIaaS (Infrastructure-as-a-Service) として「セキュアWebサービス」 を提供しています。

課題

同社のセキュアWebサービスは、仮想化ソフトウェア基盤と親和性の高い無償のツールを用いてデータバックアップを行なっていましたが、従来の無償ツールではデータバックアップの不具合を検知して担当者にアラートを発信する機能がなく、プログラムを自作して毎日稼働させ不具合の発生に備えるといった手間がかかっていました。
この無償ツールの提供とサポートが2022年に終了するため、新たなデータバックアップソリューションが必要になりました。

ソリューション

同社では、上述した無償のツールを使い、設定したタスクに従って自動的に専用ストレージにデータのバックアップを実行できるよう、自動化する仕組みを整えていました。新たなデータバックアップソリューションの選定では、現行のデータバックアップ運用の効率性を維持かつ向上できること、さらにコストパフォーマンスが優れていることを重要視したといいます。

データセンター事業本部の三島徹生氏は、「IaaSにおけるデータバックアップにかかる費用はお客様に転嫁することになります。
無償のツールを商用のソリューションへと切り替えざるを得なくなったとはいえ、高額のデータバックアップソリューションを導入することは避けなければなりませんでした。そのため、機能・性能・コストのあらゆる面でベストな製品を選択する必要がありました」と語ります。

同社では、2017年頃からNutanixを用いて3層構成の仮想化基盤からハイパーコンバージドインフラストラクチャー(HCI)への移行を進めてきました。 データバックアップのソリューションを探していたところ、Nutanix Cloud Platform とエンタープライズ向けデータ保護ソリューション Veeam の連携システムが発表されたことから、その導入を視野に入れました。

三島氏は、「データセンター事業を展開する上で、基盤運用の効率化は最重要課題です。Veeamは、多数の仮想マシン(VM)や物理サーバのデータバックアップ、リカバリを統合的に管理できる優れたソリューションです。コストを抑えながら自社で無償ツールの代替環境を構築する必要があり、構築や運用にかかる手間に対して懸念があった中、Nutanixとの連携システムが発表されたことは、私たちにとってはまさに 『渡りに船』 でした」と語ります。

数あるデータバックアップ製品を比較検討した結果、スモールスタートが可能で、安価で実績があり、抱えていた不具合の自動検知と担当者への通知機能もあることが後押しとなり、Nutanixの導入が決定しました。Nutanixによるデータバックアップの対象ボリュームは約70VMに上っています。

2020年12月にはバックアップ環境の構築、2021年1月には検証をスタートさせ、3月から試用のかたちで運用を始めており、従来ツールからの移行が段階的に進んでいます。

導入効果

三島氏は、試用について 「Nutanix Cloud Platform は、従来の環境と変わりなく、データバックアップを実行でき、処理の自動化も問題なく行えています。現時点ではまだ試用段階で、Nutanix が持つ豊富な機能の一部しか活用できていませんが、データバックアップが一元管理できるので、これまで以上に効率化できている手応えを感じています」と話します。

Nutanix の不具合の自動検知と担当者への通知機能により、検知・通知のプログラムを新たに記述する必要がないため、データバックアップ運用に関する工数削減につながっています。

さらに、三島氏は 「これまで使用してきたバックアップツールは、一つの仮想化基盤に対するデータバックアップしか行えず、複数の仮想化基盤からなる IaaS のデータバックアップを複数のツールで行い、管理していました。 Nutanix の場合、単一の管理コンソールからすべての仮想化基盤の管理はもちろん、データバックアップ、リカバリも一元管理できるため、効率的かつ適正なコストで運用する
ことができています」と述べています。

今後の展開

同社は今後、AWSのようなクラウドプラットフォームを使った IaaS の拡張に Nutanix を有効活用していくことも検討しているといいます。

「Nutanix を活用すれば、AWSなどの主要なクラウドプラットフォームをバックアップサイトとして使ったディザスタリカバリ(DR)サービスが比較的容易に展開できるはずです。これからはバックアップの効率化だけを追求するのではなく、Nutanix の機能を IaaS の拡張に活かすことも検討しています」 と三島氏は説明します。

「当社は今後数年以内にデータセンターのインフラ基盤全体を Nutanix へ全面的に移行する計画です。 その中で Veeam との連携システムという先端のソリューションをいち早く導入し、ITインフラのバックアップの一元管理を実現したことは、お客様からの一層の信頼獲得につながると期待しています。今後もNutanix のメリットをお客様に提供する価値へと転換すべく、パブリッククラウドの活用などを含めたさまざまな可能性を追求していきたいと考えています」 と三島氏は締めくくります。