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Nutanix AOS 6のご紹介

Nutanix HCI team

2021年09月21日 | min

本記事は2021年9月21日にNutanix HCI Teamが投稿した記事の翻訳版です。原文はこちら。.NEXT 2021に関する記事の索引はこちら

HCIソフトウェアのパイオニアであるNutanix® AOSの大規模なマイルストーンと、Nutanix AOS 6ソフトウェアのリリースをアナウンスできることを大変喜ばしく思います。 VMworld 2011で市場を創生するHCIソリューションを立ち上げて(Best of VMworldアワードも受賞しています)から10年、Nutanix AOS™ インフラストラクチャソフトウェアは仮想化データセンターの業界標準のプラットフォームへと成熟し、今ではお客様をハイブリッドクラウドへとつながる橋渡しに貢献しています。

本日AOS 6は我々の差別化されたアーキテクチャのコア機能上に構成しながら、一方で破壊的な新機能群を追加しています。このリリースではパフォーマンスの最大化をより簡単に成し遂げられるようにするのみならず、クラスタの回復力についての可視化と統制を向上させて、ミッションクリティカルなワークロードに対するサポートを改善しています。それに加えて、AOS 6では大規模環境におけるセキュリティと保護を長く待ち望まれていたflow networkingと新しいDRダッシュボードも加え、改善しています。

パフォーマンスと拡張性

Replication Factor 1 (RF1)

Nutanix AOSはHCIクラスタ上で動作するアプリケーションのデータを複数のコピーを保持することで保護しています。AOSはクラスタ内の異なるノードに複数のコピーを保存しており、これによってハードウェア障害発生時に自動的にデータを復元することができます。これはレプリケーションファクタ(Replication Factor)として知られており、2 または 3のコピー(それぞれ RF2、RF3)を作成するように構成することが可能です。Hadoop®、SAS Analytics®、Splunk® そして NoSQL®データベースのような多くのモダンなビッグデータアプリケーションは、それを下支えするインフラストラクチャの力を借りることなく、自身のデータをアプリケーションレベルで保護しています。従来型のSQLデータベースもいくらかの非永続的な一次で、保護の必要のないデータを保存することががあります。これらのワークロードは追加でストレージプラットフォームによるデータの冗長化を必要とはしません。

Nutanix AOSは今回、Replication Factor 1 (RF1)でストレージコンテナを作成することをサポートしました。これはつまり、データは冗長化のために複製されないということです。これには2つの主要な効果があります:

  • ストレージの効率性: ストレージレベルでデータが複製されないため、物理的に必要なストレージメディアは少なくて済み、こうした類のアプリケーションにおいて、最低でも50%のストレージ容量の削減されます。

  • パフォーマンスの向上: データをネットワーク越しに複製する必要がなくなるため、I/OのWriteパフォーマンスが向上し、Writeであっても完全なデータローカリティの効果を得ることができます。Clouderaのようなビッグデータ分析のワークロードにおいては完了までの時間が3倍高速化され、3倍のデータを処理することができ、SAS Analyticsでは2.5倍のスループット向上の恩恵を受けることができます。

メタデータのリウォーミング

パフォーマンスを向上させる新しい機能に加え、Nutanixは引き続きそれを下支えするアーキテクチャの強化も行っています。こうした強化の一つは計画もしくは非計画イベントにおける仮想マシンの移行やコントローラー仮想マシン(CVM)の再起動などのイベントの直後のパフォーマンスを即時向上させるためのものです。メモリ上のキャッシュが不適切になるため、大規模なワーキングセットと高いIOPS要件のあるアプリケーションは特にこうしたタイプのイベントの影響を受けます。今回の新たなメタデータのリウォーミングの機能は計画もしくは非計画イベントの後、積極的にメタデータキャッシュを埋めることによって、アプリケーションのパフォーマンスが迅速に適正状態へ達することを保証します。

ブラウンフィールド(既存環境)へのAES適用 

NutanixはAOS 5.11でデータローカリティの効果を最大化するためのアーキテクチャとしてメタデータローカリティをもたらす自律化エクステントストア(Autonomous Extent Store™ - AES)を導入しました。AESでは単一のグローバルメタデータレイヤーを論理的な属性のためのグローバルメタデータレイヤと物理的な属性のためのローカルメタデータレイヤーへと分離し、これによって継続するWrite操作を行うアプリケーションのパフォーマンスを劇的に向上させます。AOS 6.0以前ではAESは新たな環境(グリーンフィールド)に対してのみ有効にする事ができました。今回AOS 6.0ではクラスタ上の既存の要件を満たす非AESコンテナが自動的にバックグラウンドで動作するプロセスをとおしてAESへと変換され、お客様は同じハードウェア上でパフォーマンスを向上させる事ができます。

ハイブリッドクラウド環境むけの次世代プラットフォームのサポート

Intel Ice Lake および AMD Milan

Nutanixは第3世代の Intel® Xeon® スケーラブルプロセッサ(コードネーム Ice Lake)をベースとした次世代サーバープラットフォームのソフトウェアでのサポートを発表し、お客様にこれまでの世代のプラットフォームよりも低い総所有コスト(TCO)をご提供しています。より幅広いプラットフォームと構成の選択肢の強化に加え、コンピュートパフォーマンスを最大42%多くのプロセッサコア、最大33%のメモリ集積度とパフォーマンス向上で改善しています。

NutanixはHPE ProLiant® DX、Dell® XC シリーズ、および Lenovo ThinkAgile® HX シリーズのOEMアプライアンスファミリーにおいてAMD EPYC® 7003シリーズのプロセッサ(コードネーム Milan)のサポートも発表しました。AMD EPYC 7003シリーズのプロセッサはソケットあたり最大64コア、8チャンネルのDDR4メモリを提供し、以前の世代から最大でコアあたりのパフォーマンスを19%向上させています。

回復力

リビルドキャパシティの予約

ストレージサマリおよび回復力ウィジェットはキャパシティの監視と可視性をシンプル化します。今回「Reserve Rebuild Capacity(リビルドキャパシティの予約)」設定が追加され、クラスタ上でノード障害イベント時に十分なキャパシティが有ることを保証することができるようになりました。これが設定された場合、クラスタはクラスタ内で最も大きなノードのキャパシティを予約します、これによってもしもノードが1台障害を起こした場合でもリビルドのための領域が確保され、完全な回復力を取り戻すことができます。

この設定は大容量のミッションクリティカルなデータがある環境で特に有効ですが、マニュアル操作による厳格なリビルドキャパシティが望まれる環境では無効のままにしておくこともできます。

リビルドプロセスの指標/ETA

ストレージ回復力ウィジェットも強化され、クラスタの現在の回復力の状況についてのより優れた洞察を得ることができます。今回、障害許容度(FT1 または FT2)のレベルと現在の障害ドメイン(ラック、ブロック、またはノード)が表示されます。ウィジェットはそれが構成された状態から変化があるかどうかを表示します。障害許容に関するそれぞれのコンポーネントの情報を提示する詳細ページもあります。

もっとも重要なことはリビルドの進捗の指標が追加され、管理者にクラスタの完全な回復力が戻るまでの残り時間を追うことができるというものです。リビルドの算出では分散型アルゴリズムが利用されており、リビルドするキャパシティ、それぞれのドライブの数とスピード、リビルド操作に参加するノード数、更にはクラスタの現在のI/O負荷を含む多くの因子を考慮に入れています。

マルチクラスタ回復力ダッシュボード

Nutanixのお客様はグローバルなHCI環境をグローバルに分散された複数のHCIクラスタを単一のインターフェイスから管理するためのPrism Central™ 管理コンソールを用いて管理しています。Prism Central内のマルチクラスタ回復力ウィジェットはストレージサマリと回復力ウィジェットの機能を1つのマルチクラスタダッシュボードへと統合し、すべてのクラスタのキャパシティの利用率と回復力の監視を1つの場所から簡単に行えるようにします。

これによって、管理者は分散したHCI環境のキャパシティと回復力の数値を用意に確認できるようになり、適切なアクションを取れるようになります。数値の表示は美しく再デザインされ、情報を用意に、そしてより実践的に確認できるようになりました。

ビジネス継続性と災害復旧

AHVメトロ可用性

BCDRはAOSのその誕生以来のコア機能であり続けています。AOS 6.0では、AHV® メトロ可用性のリリースとともにそのイノベーションを継続しています。AHVメトロ可用性は災害を避けるためにゼロRPOとほぼゼロのRTOの要件があり、同時にDRイベント時に自動的なリカバリも必要なアプリケーション向けの機能です。この機能は同期レプリケーションを活用し、ミッションクリティカルなアプリケーションを5ミリ秒もしくはそれ以下のレイテンシで同期状態に保ちます。AHVメトロ可用性のあらゆる側面を構成して活用するために、Prism Centralには今回、保護ポリシー、リカバリプラン、さらには非計画停止時に自動的にフェイルオーバーを行うためのWitnessが含まれるようになりました。これによってお客様にAHVハイパーバイザー上で完全な機能をもつDRソリューションを提供することができます。

ニアシンクが複数サイトへと拡張

ミッションクリティカルアプリケーションの世界では、極端に小さなI/Oレイテンシが重要になる場合があります。こうしたシナリオではアプリケーションはレイテンシ上の不備なく常に保護され、0-RPOの必要性を満たすために厳格なレイテンシが要求されます。こうしたビジネスを支えるアプリケーションは複数の障害に対しても保護されていなければならない場合がほとんどです。Nutanixの複数サイトに向けたニアシンクレプリケーションは継続的なデータ保護(Continuous Data Protection - CDP)アプローチに対応し、サイトをまたぐ複数のダウンタイムイベントに対しても追加での保護レイヤーを提供することができるようになりました。

DRの可観測性

NutanixのBCDRソリューションはオンプレミスから複数のクラウドへと拡張されてきました。Nutanixとハイブリッドクラウドへの道筋を歩むお客様にとってLeap® および Nutanix Clusters™ on AWSの可観測性は高い優先順位となってきました。AOS 6.0リリースではPrism Centralにダッシュボードを追加し、クラウドをまたいだRPOのSLA、DRの準備状況、アラートなどを含むDRに関連する主要なパフォーマンス指標についての洞察を提供します。単独PCでのLeapのサポートでお客様は異なるクラウド環境内で動作するPrism Element環境のすべてをまたがって単一ウィンドウで状況を監視する事ができるようになりました。

セキュリティとネットワーク

Flow Networking

AOS 6でNutanixはFlow™ Networkingも一般提供(GA)開始させました。この素晴らしい新たな仮想化ネットワークソリューションはこれまで一部のお客様にアーリーアクセスとして提供されていました。Flow networkingは仮想プライベートクラウド(VPC)をその他の仮想化ネットワークの概念とともに提供し、オンプレミスとクラウドネイティブなワークロード間でのハイブリッドマルチクラウドのネットワークの実現を可能にします。Flow networkingはソフトウェア・ディファインドのアプローチを提供することで、エンドユーザー向けにインフラストラクチャの利用とアプリケーションとワークロードの展開に俊敏性をもたらすインフラストラクチャをシンプルにすることができます。

Flow networkingによってオーバーレイネットワークを展開することはシンプルになり、これによってDevOpsのコンセプトやNutanix Calmのようなツールを利用したアプリケーション展開、オーケストレーション、構成の自動化の利用が実現します。また、エンドユーザー向けのセルフサービスの提供によってさらなる統制とパブリッククラウドのようなリソースの利用が実現します。

AHVのポートミラーリング

ネットワークについて、最も広くお客様からリクエストいただいていた機能がポートミラーリングで、これによってお客様は特定のポートに対するトラフィックを別のポートへとミラーリングし、さらなる分析などの用途で利用することができます。

AOS 6.0で今回ポートミラーリングの機能を提供します。ポートミラーリングは最初のリリースではコンピュートホストの物理ポートに対するトラフィックを同一ホスト内の仮想マシンのvNICへとミラーリングします。今後も継続してポートミラーリングの機能を進化させてゆき、選択のためのノブ(選択したトラフィックのみをミラーリングさせる)、柔軟性(ミラーリング先の選択)、そして同時にミラーするセッションの数の拡張などを追加していきます。

セカンダリIPのサポートとフローティングIPの紐付け

もう一つのお客様のユースケースとリクエストはロードバランシング、高可用性、そしてフェイルオーバーのために複数のIPアドレスを単一のネットワークインターフェースカード(NIC)に紐付けたいというものでした。これらの追加のIPアドレスはしばしばセカンダリIPと呼ばれます。このAOS 6.0で導入された新しい機能で、お客様は容易に外部のIPアドレスをVPC内で動作しているサービスが複数のアドレスをもっていたとしてもマッピングすることができます。

管理と自動化

クラスタの拡張機能の強化

クラスタの拡張機能はAOS 6.0で強化され、エンドユーザーへさらなる統制を提供しています。以前のクラスタの拡張機能では、それぞれのノードに対して準備を行った後、クラスタに追加する必要がありました。AOS 6.0ではこれらを分離するオプションが提供されています。お客様はホストネットワークの設定とAOSとAHVのヴァージョンのインストールを含むノードの準備をするかどうか、最初に選択できます。その後、準備されたノードをクラスタに追加するかどうか選ぶことができ、手順が高速化されます。

非NutanixのvCenterキャパシティのランウェイをサポート

PrismはそのX-Fitエンジン内にAI機能を保持しており、AHVを稼働させているクラスタのCPU、メモリ、ストレージのランウェイ分析を行うことができていました。AOS 5.19とPC 2020.9で、NutanixはvCenterインスタンスの監視をサポートし、PrismがNutanix HCI上で動作していないVMware®の仮想マシンとホストであってもが監視を行えるようなりました。この機能の上にAOS 6.0とPC 2021.5ではvCenter Server®のキャパシティランウェイをvCenter Serverからの計測値を適切にマッピングすることでX-Fitエンジン内の同一アルゴリズムを活用して行えるようにしました。これによってお客様はPrismとそのユニークなAI機能を利用して一部が依然としてレガシーなインフラストラクチャ上に残っていたとしても仮想インフラストラクチャ全体を監視する事ができるようになりました。

さぁ、アップグレードしましょう

これらの新しい機能を利用するためにはクラスタをPrismとNutanix Life Cycle Manager™ (LCM)ツールからシンプルにAOS 6へとアップグレードする必要があります。更に詳しくはAOS 6のリリースノートのwhat’s newを参照してください。これらの機能について更に詳しく学ぶのであれば、Nutanix .NEXT 2021 グローバルユーザーカンファレンスのブレイクアウトセッションとキーノートを視聴してください。

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