クウェート高等教育省、Nutanix Cloud Clusters で最高レベルのハイブリッド・マルチクラウド環境を構築

クウェート高等教育省は、Nutanix Cloud Clusters(NC2)を基盤とするハイブリッド・マルチクラウド環境を導入し、ワークロードのデプロイや移行を容易にするとともに、分散拠点からでも最小限の管理でシームレスかつセキュアに重要なアプリケーションにアクセスできる環境を構築しました。

 

クウェートの高等教育省は、1988 年 10 月 16 日付の政令第 164/88 号により設立されました。同国は、高等教育の効果を高め、多様な教育分野を拡充することを目的として、高等教育に最大限の重点を置くことを表明しています。高等教育省は、自然科学および人文科学のさまざまな分野における高等教育および専門的な学びの機会を提供し、人材育成のための計画やプログラムを統括しています。また、各分野で必要とされる専門家、技術者、研究者を育成するとともに、優秀な学生がさまざまな科学分野を大学院で研究を継続できるよう支援することで、学生や学者・研究者の間で競争の促進し、科学研究の品質を高めることをめざしています。

Nutanix Cloud Clusters(NC2)の導入により、同省は、効果的にハイブリッド・マルチクラウドモデルへと移行し、TCO と運用の複雑さを削減しました。さらに、高可用性を確保し、重要なアプリケーションに場所を問わずシームレスにアクセスできる環境を構築しています。

主な成果

TCO と複雑さを削減シームレスなアクセス信頼性の向上
インフラ管理を一元化して、1-クリックでの運用が可能に。各支局に専用ハードウェアを設置する必要がなくなった。セキュアなクウェート・プライベート・ネットワーク(KPN)を介して、海外拠点のユーザーもミッションクリティカルなアプリケーションにセキュアにアクセスできるようになった。災害復旧(DR)サイトへのリアルタイムレプリケーションにより、RTO・RPO をほぼゼロに短縮し、事業継続性を確保した。

「Nutanix はハイブリッドクラウドのパイオニアであり、私たちのビジネスにとって効果的な技術ビジョンと戦略の策定を支援してくれました。」

課題

クウェート国民の教育の機会と進学の可能性を拡大させる責任を担う政府機関として、高等教育省は、国内外に広がる支局ネットワークを運用しており、そのなかには、海外 12 拠点も含まれます。クウェート高等教育省で IT 部技術開発課長を務めるモハマド・アラジミ(Mohammad Alajmi)氏 によると、世界中で何千人ものクウェート人の学生が日々、同省のデジタルサービスを利用しているといいます。

しかし、各支局で専用のハードウェアを維持することは、多大な設備投資と運用コストがかかるうえに、可視性や制御性が不十分になるという大きな課題がありました。さらに、国内でのみアクセス可能なセキュアなネットワークのプライベートネットワークの利用が義務付けられていたため、支局ユーザーへのアクセスには制限がありました。「災害復旧サイトへのレプリケーション速度も、インフラが地理的に分散していることで影響を受けていました。この複雑さを解消するために、私たちは信頼できるパートナーである Nutanix に支援を依頼しました。」とアラジミ氏は述べています。

ソリューション

同省は、既にメインのデータセンターと災害復旧(DR)サイトで Nutanix を活用していた実績があり、その経験をもとに各支局のインフラも Nutanix ハードウェアを導入して簡素化する計画を立てていました。その際、Nutanix から提案されたのが、それよりもさらに効果的な解決策でした。「Nutanix はハイブリッドクラウドのパイオニアであり、私たちのビジネスにとって効果的な技術ビジョンと戦略の策定を支援してくれました。NC2 を活用して全支局をクラウドクラスタに接続することで、ハイブリッド・マルチクラウドモデルへ移行できることを実証してくれました。」(アラジミ氏)

コスト効率が高く、将来を見据えた Nutanix のソリューションにより、同省は自信を持って導入を進めることができました。アラジミ氏によれば、ソフトウェアのみのソリューションであったため、ラックやスタック、ケーブル配線も不要でした。直感的なポータルから、クラウドクラスタをわずか 2 時間足らずでセットアップし稼働させることができました。既存のオンプレミスのクラスタとの統合もさらに簡単で、数回クリックするだけで完了したといいます。

成果

Nutanix が見事な成果を発揮

アラジミ氏によると、NC2 の導入により、高等教育省では各拠点に分散していたインフラを統合し、1-クリックで一元管理できる統合環境が整いました。これにより、場所や時間を問わず、必要に応じてリソースの割り当てや拡張が迅速に行えるほか、エンドツーエンドの可視性を確保し、きめ細やかな制御が可能になりました。また、特定の地理的拠点に縛られないため、各支局でのセキュアなアクセスや遅延の問題も解消しました。

トップクラスのバックアップ

パフォーマンスの向上は、冗長性と可用性の向上にもつながっています。以前は、支局から高等教育省の DR サイトへのデータレプリケーションが地理的な遅延の影響で 1 時間遅れていました。アラジミ氏によれば、この遅延により、膨大な量のデータが失われるリスクがありました。しかし現在は、リアルタイムレプリケーションが可能となり、安心して運用できるようになっています。

比類なき柔軟性

高等教育省は現在、Webサイト、証明書の認証システム、奨学金申請システムなどを含む、あらゆるミッションクリティカルなアプリケーションを Nutanix で稼働させています。「アプリケーションの利用状況は年間を通じて大きく変動します。しかし、Nutanix を利用することで、ピーク時には 10 ノードで稼働させ、オフシーズンには 3 ノードまで縮小など、スケールアップやスケールダウンを容易に行えます。」(アラジミ氏)

この柔軟性は、デプロイメントの場所の選択にも反映されています。1-クリックでクラウドからオンプレミスへ、またその逆へのワークロード移行が可能なため、以前、パブリッククラウドにワークロードを移行する際に直面していた複雑さも解消されました。

アラジミ氏は次のように述べています。「Nutanix Cloud Clusters(NC2) は、支局の要件やパブリッククラウドでホストする必要があるアプリケーションに最適なソリューションとなりました。ハイブリッド・マルチクラウドを活用したい組織にとって、Nutanix は間違いなく最適なパートナーです。」

今後の展望

「Nutanix のビジョンを極めて高く評価しています。Nutanix のソリューションは、性能・セキュリティ、スケーラビリティ、柔軟性に優れており、顧客満足に対する深いコミットメントと、高品質なパートナーエコシステムの構築への投資によって、その価値がさらに高められています。」(アラジミ氏)

こうした理由から、高等教育省では、Nutanix とのパートナーシップをさらに発展させる計画です。アラジミ氏によると、現在のインストール環境にノードを追加して拡張し、さらに多くの Nutanix ソリューションを活用する予定です。そのひとつが、Nutanix Flow Network Security で各支局を分離し、共有クラスタ内のセキュリティを強化することです。また、同省では、Nutanix Cloud Manager(NCM)を活用して支局管理者向けのセルフサービスを可能にするなど、さらなる自動化も進める計画です。