ほくほくフィナンシャルグループ、広域地域金融グループがNutanixを採用

北陸銀行と北海道銀行の情報系仮想サーバーと仮想デスクトップインフラ(9,000クライアント)にNutanixを採用。国内最大規模のNutanix導入事例、ITインフラ運用コストを20%削減。

企業

北陸銀行、北海道銀行、北銀ソフトウエアなどを傘下に持つ広域地域金融グループ。

業界

金融業

ビジネスニーズ

  • ITインフラ整備による利便性・機能の強化
  • 機能的・効率的なグループ経営体制と営業体制の構築
  • 市場ニーズに即したスピーディなサービスの提供、IT投資の最適化

導入製品

Nutanix Enterprise Cloud Platform
NX-3000シリーズ と NX-8000シリーズ

ソリューション

Citrix XenDesktop と XenApp
VMware ESXi

導入メリット

  • システム統合による業務標準化とスピードアップ
  •  SIコストの削減、投資の平準化
  • 長期的に20%のインフラ運用維持コスト削減が可能

「ベンダーにとらわれることなく、両行は 合理的な判断により大きな決断をしました。これからもサービスのさらなる向上にむけて、前向きな投資と新しい挑戦を続けていきます」

「情報系システムのインフラも統合する ことで、フィナンシャルグループとしての 情報の共有、活用、業務のスピードアップ を図り、シナジー効果を最大限に引き 出すことが目的です」

導入の背景

競争力を強化し、次の時代に生き残るために、銀行の合併や再編成が活発化しています。地域の人口減少などを背景に、地域銀行同士の合併・経営統合が進む中、北陸銀行と北海道銀行を母体に誕生したほくほくフィナンシャルグループは、遠隔地にある地域銀行のグループ化として注目を集めました。

同グループが発足したのは2004年。それ以来、北陸銀行と北海道銀行は様々なシステムを最適化・統合化し、共通のITインフラを構築してきました。2011年には共同利用システム(MEJAR)へ移行し利用を開始しています。これに並行して情報系システムの統合も進めてきました。

2016年、グループの新中期経営計画「BEST for the Region」を策定し、その中で「ITインフラ整備による利便性・機能の強化により地域No.1の金融サービスを提供すること」と明言しています。

「情報系システムのインフラも統合することで、フィナンシャルグループとしての情報の共有・活用、業務のスピードアップを図り、シナジー効果を最大限に引き出すことが目的です」と、北海道銀行 システム統括部 部長 中川英樹氏は語ります。

また、北陸銀行 IT企画グループ長 富永英司氏は、「両行で重複して持っていたシステムをリスト化し、更改を迎えたシステムから順に統合してきました。今回、仮想デスクトップインフラの更改時期を迎えたのを機に、今まで個別に構築運用していた情報系仮想インフラを両行で統合する構想が持ち上がりました」と今回のシステム統合の背景を語ります。

Nutanixが選ばれた理由

「北陸銀行と北海道銀行は拠点間の距離が離れています。営業地盤の面積も広く遠隔地のインフラ統合と仮想化は大変相性が良い。距離を克服し、仮想的に1つのインフラに見せることができます」と、北海道銀行 システム統括部 シニアマネージャー 近藤道雄氏は仮想化の意義を語ります。

情報系インフラの統合が具体的な検討議題に上がったのは2015年初頭のこと。「今回のインフラ統合には3種類の構成を比較検討しました」と、北銀ソフトウエア株式会社 開発第一部 担当部長 堀洋人氏は説明します。

  1. 一般的なIntel x86サーバー、ファイバーチャネル(FC)スイッチ、共有ストレージから成る従来のインフラストラクチャー
  2. Intel x86サーバーと他社製ストレージ仮想化ソリューション
  3. NutanixのEnterprise Cloud Platform

インフラ運用コストの削減

「製品価格、システム導入費用、運用維持費用、豊富な導入実績、製品機能および将来性など、長期的視点で総合的に判断してNutanixを選びました。既存の仮想化環境はx86サーバーをベースに構築しており、簡単に増設や増強ができない、システムの維持費用がかかる、製品を自由に選べないという問題を抱えていました」(堀氏)。

「Nutanixに決めた理由は、グループとしてのシナジー効果と情報系システムインフラのコスト削減の2つを実現できるインフラとして評価したからです。長く使ってきた環境を切り捨てるリスクもあり、我々にとっては大きな『チャレンジ』でした」と北陸銀行 執行役員 多賀満氏は語ります。

運用管理のシンプル化

実際、定期的なシステム更改の際にはサーバー、ファイバーチャネル(FC)スイッチ、ストレージを入れ替え、その度に綿密な接続テストを行うなど、かなりの手間とコストがかかっていました。「もちろんハードウェアは老朽化するので定期的に更改しなければなりません。しかし、その費用よりも問題なのは、更改の度に発生するする莫大なSI費用でした。また、各層ごとに個別の管理ツールと高度な運用知識が必要になるなど運用管理にも大きなコストが発生していました」(富永氏)。

市場のニーズに即応し、ビジネスを拡大するためには、簡単かつ柔軟に拡張できるシステムが求められていました。

「ハイパーコンバージドインフラは注目されている分野であり、Nutanix Enterprise Cloud Platform以外の製品とも比較しましたが、Nutanixの『ソフトウェアを含む完全なソリューションを提供している』というコンセプトに共鳴しました。また、カタログ上はNutanixと同等の機能を謳っていても、実際には最大ノード数やエンタープライズ向けストレージとして必須な機能に制限が設けられていたり、アップデート時にはシステムを中断してのリブートが必須であったりと、Nutanixと他社製品の間に決定的な差がありました」と、Nutanixを選択した理由を富永氏は語ります。

1つのプラットフォームで複数のワークロードを実現

Nutanixは、すでに北銀ソフトウエアで導入実績がありました。「2015年に導入し、VDI/仮想サーバーインフラ/仮想ネットワークインフラなどの複数のワークロード向けに導入しました。これで、ほくほくフィナンシャルグループ全体で利用できるという確信を得ることができました」と、堀氏は語ります。

導入したNutanix製品はNutanix Enterprise Cloud Platform NX-3000シリーズとNX-8000 シリーズ、ノード数は両行のサーバー仮想化インフラ、仮想デスクトップインフラの合計で71ノードと、現時点で国内最大級の規模になりました。

導入の効果

N u t a n i xの導入決定は2 0 1 6 年春。同年、北陸銀行と北海道銀行の両データセンターにNutanixが導入され、2017年初頭から両行の統合システムインフラが本格稼働します。

優れたユーザーエクスペリエンスは高い効率性をもたらす

両行の仮想デスクトップインフラのクライアント数は国内地域銀行最大規模の約9,000台に上ります。「期待しているのは業務の品質とスピードアップです。情報系ですから、銀行をご利用のお客様へのサービスに直接結びつくわけではありませんが、銀行業務の効率化はサービスに大きな恩恵をもたらします。両行の業務標準化とスピードアップは不可欠でした」と、富永氏は語ります。

柔軟でシームレスなアップグレード

Nutanixは構築が簡単で、購入後段ボール箱から取り出して電源を入れ、インターネットに接続後、数クリックで設定が終わります。インフラ構築に数カ月もかける必要がなくなりました。しかも、システムをストップさせることなく、ソフトウェアのバージョンアップや拡張などが可能で、維持管理も容易です。システムの維持管理の内製化も視野に入れています。

ビジネスの成長に合わせて容易に拡張できるインフラ

コストメリットも見逃すことはできません。富永氏は「長期的に見て、インフラ運用維持コストの削減を期待しており、従来と比較し20%は削減できると期待しています」と語ります。「インフラ運用維持に割いていた貴重なSEリソースを、実益を生むサービス開発などに割り当てることができます。攻めの投資ができるのです」(多賀氏)。また、「投資の平準化も大きな魅力に映ります」と、富永氏は補足します。従来5~6年に一度のインフラ更改の度に、IT投資が大きく突出していました。この急な山がなくなり、投資グラフをなだらかな線状にすることができます。

導入の効果

「1行ではできないことが2行だから可能になることがあります。しかも、遠隔地だからこそ得られるシナジーもあります。事業継続戦略はその好例です。遠隔地にデータセンターを持つことで、その戦略が実行可能となり、プラスのメリットに転じることができます」と近藤氏は笑顔を見せます。もちろん、Nutanixであれば、物理的なデータセンター移動や統合も飛躍的に容易となります。従来型の3層システムとは比較にならないほど簡単に移動でき、移動に伴うリスクも抑えることができます。

今回のインフラ統合を「チャレンジ」と表現した多賀氏は、このチャレンジは今後も続くと訴えます。「ベンダーにとらわれることなく、両行は合理的な判断により大きな決断をしました。これからもサービスのさらなる向上にむけて、前向きな投資と新しい挑戦を続けていきます」(多賀氏)。「今回の情報系インフラのみならず、他インフラへの導入も視野に入れています」(富永氏)。

今迄、必要に応じて拡張してきたITインフラは肥大化し、複雑になっています。コストもリスクも膨大です。この状態からの脱却がチャレンジであり、さらに自由な環境での新たな挑戦が始まります。

厳しさを増す金融市場。このような時代に生き残りをかけるほくほくフィナンシャルグループの「チャレンジ」をNutanixが支援しています。