執筆者:Ujwal Datta、Alex Almeida
データ生成量の急増により、クラウドストレージは現代の ITインフラに不可欠となりました。デジタル化や IoT、ソーシャルメディア、AI、リモートワークが、この膨大なデータ生成を後押ししています。
エンタープライズは、こうした驚異的なデータ成長に対応すべく、拡張性に優れ、コスト効率が高く、管理しやすいストレージソリューションを必要としています。Nutanix Unified Storage(NUS)ソリューションは、ファイル、オブジェクト、ブロックストレージを統合し、分析、ライフサイクル管理、サイバーセキュリティ、強力なデータ保護などの充実したデータサービスを提供することで、こうしたニーズに応え、独自の優位性を維持しています。
Nutanix は本日、データプラットフォーム革新の次のステップとなる Nutanix Unified Storage 5.2 を発表しました。
本ブログでは、ハイブリッドクラウドにおけるデータ管理をよりシンプルにする主要なイノベーションや、次世代のクラウドおよび AI アプリケーションのデプロイメントを加速させる性能強化とプロトコル対応について紹介します。
まず、Nutanix Unified Storage(NUS)がどのようにハイブリッドクラウドにおけるデータ管理を進化させるのかをご紹介します。NUS は、柔軟性を備えたソフトウェア定義型アーキテクチャ上に構築されており、Nutanix Files Storage ソリューションなどの NUS コンポーネントを、既存の Nutanix 環境だけでなく、パブリッククラウド上でデプロイすることを可能にします。前回のリリースでは、Amazon Web Services でのネイティブデプロイメントが導入され、既存の Nutanix Cloud Clusters(NC2)に加えて、パブリッククラウドでのデプロイメントオプションが拡充されました。そして今回のリリースでは、この取り組みをさらに発展させ、Microsoft Azure パブリッククラウドでのネイティブデプロイメントオプションを新たに発表します。
今回の新しい提供形態では、Azure VM、Azure Managed Disk、Azure Managed Network インターフェースを活用してファイルサービスをホストし、従来から定評のある NUS Files Storage スタックを引き続き利用します。Nutanix Prism Central のマルチクラスタマネージャーは、シンプルなデプロイメントと管理を実現する統合管理画面として機能し続けます。なお、リージョンの選択、仮想ネットワークの設定、マネージド ID の作成、Key Vault のセットアップといった Azure 固有の前提条件については、ユーザーによる設定が必要です。
Azure 内での本デプロイメントでは、ストレージ要件に応じてファイルサーバークラスタへの追加の Azure VMリソースのプロビジョニング(ローカル一時ボリュームの互換性が前提となります)を通じて、ファイルサーバーの柔軟なスケーリングがサポートされています。また、必要な数の VM を追加プロビジョニングすることで、クラスタ全体のスケールアウトにも対応しています。
さらに、Azure のディスクはシックプロビジョニングされており、実際の使用量ではなく確保したストレージ容量に基づいて課金されます。こうしたクラウドストレージのプロビジョニングにおけるコスト効率を高めるために、Nutanix Files Storage on Azure では、必要最小限の初期容量から導入し、ビジネス要件に応じて拡張できる仕組みを提供しています。これは、容量要件にあわせてバックエンドの仮想リソースを段階的に拡張していく、従来の Nutanix のデプロイメントモデルと一致しています。
Nutanix Files Storage on Azure では、ストレージデプロイメントに加え、データを Azure Blob Storage に階層化する機能を備え、さらにコスト効率を高めることができます。ユーザーが選択するオプション(Balanced / Conservative / Aggressive)に応じて、システムはブロックストレージとオブジェクトストレージの間でデータを適切に振り分けます。必要に応じて、関連するデータセットは Azure Managed Disk と Blob Storage を利用し、ホットティアとコールドティア間で自動的に移動されます。この自動化により、データ使用パターンに基づいたパラメータをもとに、ストレージをインテリジェントに制御できます。
ハイブリッドクラウドストレージ戦略では、異なるシステムに展開された分散したデータを管理することが重要です。今回のリリースでは、サードパーティ製ファイルサーバーを統合ネームスペースに含めることで、大規模ファイルストレージ管理の簡素化に大きな進展をもたらしました。これにより、分断されたレガシーシステムの管理に伴う複雑性と非効率性に直接対処し、IT チームが外部ファイル共有を新規または既存の NUS インスタンスと共に単一の論理ネームスペースへシームレスに統合する手段を提供します。
この機能を活用することで、運用継続性を維持し、段階的な移行戦略を実行できるため、ユーザーが各自のペースでモダナイゼーションを進められます。移行期間中もリスク管理、中断の最小化、ユーザーアクセスの維持が可能です。インフラの統合や既存資産の寿命延長を問わず、本機能により運用効率化し、Nutanix Unified Storage の導入を加速し、データサービス戦略の将来性を確保できます。
AI/MLインフラのイノベーションへの関心が非常に高まっているのには十分な理由があります。これらのワークロードは、ビジネスイノベーション戦略において、ますます中心的な役割を果たすようになっています。
超低レイテンシ―・高スループットのデータアクセスに対する需要はかつてないほど高まっています。NUS 5.2 リリースでは、Nutanix AHV ハイパーバイザーに NFS over RDMA を実装し、GPU ダイレクトストレージをサポートすることで、パフォーマンス機能を拡張します。これにより、クライアントシステムのストレージと GPU 間でメモリ間の直接データ転送が可能になり、CPU のボトルネック解消、レイテンシーの低減、高速処理が可能になります。
さらにこのリリースは、SR-IOV のサポートと組み合わせることで、GPU を最大限に活用し、インサイトの取得までの時間を短縮するように設計された、効率化された高効率データパスを提供します。リアルタイム分析、予知保全、次世代ヘルスケアソリューションの推進など、Nutanix は、ハイパーバイザーの選択に関わらず、最新の AI 駆動戦略のパフォーマンスニーズに対応できます。
金融、医療、緊急サービスなどのミッションクリティカルなアプリケーションを管理する IT リーダーにとって、サービスの中断の回避は必須条件です。ダウンタイムは業務継続性や顧客の信頼を大きく損なうだけでなく、予期せぬコスト増にもつながります。
今回のリリースでは、Nutanix Unified Storage が AHV 上でのメトロクラスタを新たにサポートしました。この機能により、RPO(リカバリポイント目標)ゼロでの同期レプリケーションが可能となり、地理的に分散したクラスタ間でリアルタイムにデータをミラーリングできます。サイト障害・クラスタ障害・ハードウェア障害からシステムを確実に保護できるのが特長です。
この機能について詳しくは、Nutanix コミュニティのブログ記事でもご覧いただけます。
Nutanix Unified Storage 5.2 のリリースにより、組織はモダンデータインフラの進化する要件を満たす強力なクラウド対応プラットフォームを獲得できます。ネイティブ Azure デプロイメント、インテリジェントな階層化、統合ネームスペース対応、GPU アクセラレーションによる性能強化など、ハイブリッド環境全体で次世代ワークロードを支えるスケーラビリティ、効率性、耐障害性を提供します。
Nutanix Unified Storage 5.2 は、統合型でインテリジェント、クラウドとシームレスに連携する次世代ストレージ基盤です。
©2025 Nutanix, Inc. All rights reserved. Nutanix, the Nutanix logo and all Nutanix product and service names mentioned are registered trademarks or trademarks of Nutanix, Inc. in the United States and other countries. All other brand names mentioned are for identification purposes only and may be the trademarks of their respective holder(s).