お客様

拡張性の高い基盤づくりで運用負担を大幅に軽減

顧客に提供するプライベートクラウド基盤の移行をNutanixで実現

 企業

 株式会社TOKAIコミュニケーションズ

業界

電気通信業界

課題

  • 従来製品のサポート品質や提供機能の少なさ
  • 3層構成での長いリードタイム
  • バージョンアップ時の長時間のサービス停止
  • 運用コスト

ソリューション

  •  Nutanix Enterprise Cloud OS 
    • Nutanix AOS
    • Nutanix AHV 
    • Nutanix Prism 

導入によるビジネスのメリット

  • Nutanix製品の高い信頼性による営業推進
  • Prismの導入に伴い、顧客からの問い合わせ件数が大幅に減少
  • 管理者負担を軽減し、最小限の人的リソースでの運用を実現
  • リモート保守により、管理者の心理的な負担を軽減
  • IOPSが従来の約3倍高速化するなど、性能向上を達成
  • 柔軟なスナップショットによりデータ保全機能を向上
  • 仮想化基盤の移行を短期間で実現

「実績あるNutanixの取り扱いが強みとなり、お客様に対する安心感の醸成に大きく貢献しています」

- ITサービス本部 インフラ基盤事業部  データセンターサービス部 クラウドサービスグループ グループ長 村松 一幸氏

「世の中のトレンドはAWSも含めたマルチクラウド環境が主流となっています。システムインテグレーション部門への展開も含め、メガクラウドとの連携が容易なNutanixは、我々が求める環境として最適でした」

- ITサービス本部 インフラ基盤事業部 データセンターサービス部 クラウドサービスグループ プラットフォームサービス課 課長 実石 裕氏

「環境設置にかかる負担は、3層構成だった以前に比べておよそ半数分程度の工数で済んでいる印象です。空いた時間をお客様対応に充てるなど、サービス品質向上に向けた時間が確保できるようになったのは大きいです」

- ITサービス本部 インフラ基盤事業部  データセンターサービス部 クラウドサービスグループ プラットフォームサービス課 寺田 和浩氏

課題

株式会社TOKAIコミュニケーションズは、TOKAIグループの情報通信事業を担う企業として1977年3月に設立され、高度情報通信社会に対応した多様なサービスを提供しています。大手キャリアにも劣らない総延長約7,000kmの光ファイバーを活用してキャリア・企業向け通信サービスを展開する通信事業をはじめ、静岡および岡山に設置されたデータセンターでシステムの運用管理を手掛けるデータセンター事業、そしてビジネスに必要な環境整備を行うシステムインテグレーション事業を三位一体となって提供することで、全国の顧客に最適なサービスを展開しています。

同社が手掛けるデータセンター事業では、法人向けのデータセンターサービス「BroadCenter」を展開していますが、豊富なサービスのメニューの1つとして用意されているのが「Praclaホステッド プライベートクラウド」です。データセンター内に顧客専用の仮想化基盤環境を整備することで自由に仮想マシンを構築できるサービスで、運用負荷の低減をはじめ、リソース調達のコスト削減やリードタイム短縮、可用性の向上といったさまざまなメリットが享受できる仕組みとなっています。

このプライベートクラウド環境は、同社が海外展開を視野に、海外企業の合弁会社と開発したハイパーバイザーを用いて3層構成で構築されており、簡単かつ安価に利用できるサービスをコンセプトに、多くの顧客から支持を得ていました。基盤として利用してきたハイパーバイザーのサービス終了に伴い、「多くのお客さまにご利用いただいている基盤の後釜となる環境づくりに急遽取り組むことになりました」とITサービス本部 インフラ基盤事業部 データセンターサービス部 クラウドサービスグループ グループ長 村松 一幸氏は当時を振り返ります。

ソリューション

新たな基盤づくりにあたって、これまで抱えてきた課題解消につながる仕組みを検討することとなり、「運用負担の軽減に向けて、ノード追加が容易など拡張性に富んでおり、保守性が優れている仕組みを希望していました。また、マイナーなハイパーバイザーから脱却し、サポートの品質や機能面も充実した製品を求めていました」とITサービス本部 インフラ基盤事業部 データセンターサービス部 クラウドサービスグループ プラットフォームサービス課 課長 実石 裕氏は語ります。「サービスを止めることなくノードが追加でき、3層構成と比べて構築が容易なため、新たなお客様に環境を提供する際のリードタイムを短縮できます。Nutanixにより、理想的な環境が整備できると考えました」と村松氏は説明します。バージョンアップ時も、これまでは顧客に事前通知を行ったうえで一時的なサービス停止を余儀なくされていましたが、Nutanixであれば無停止のままメンテナンスが可能となるなど、顧客に対するメリットも大きいと判断しました。

他社のHCI (ハイパー コンバージド インフラストラクチャー)も含めて検討したものの、Nutanixであれば当初のサービスコンセプト同様に、価格を抑えて調達できるほか、豊富な導入実績により多くの運用ナレッジが得られるというメリットがありました。ITサービス本部 インフラ基盤事業部 データセンターサービス部 クラウドサービスグループ プラットフォームサービス課 寺田 和浩氏は、「VMwareを採用すると調達コストが増えてしまい、我々が提供するサービスコンセプトにマッチしません。オープンソースであるOpenStackでの構築も検討しましたが、旧サービスからの切り替え期間が短く、開発が伴うために工数がかかってしまう点が課題でした。Nutanixであれば、移行時の環境構築も最小限で済むと考えました」と語ります。

旧環境では、特定ドライブしかスナップショットが取得できない、テンプレート作成のためのクローン生成が困難、スナップショットの差分情報がストレージ容量を圧迫するといった運用面での課題も顕在化していました。「豊富な機能を持つNutanix AHVであれば、課題解決につながることが事前に把握できました。これまで利用してきたハイパーバイザー同様、Nutanix AHVもKVMをベースに作られているため、移行のリスクも最小限におさえられる点も魅力的でした」と寺田氏は説明します。

将来的なサービス拡充に対する期待も大きく、「マルチクラウドでお客様にソリューションを提供しているため、ハイブリッドな環境でAmazon Web Services (AWS)の活用が可能な面も評価したポイントの1つです」と村松氏は述べています。

導入効果 

現在は、40社ほどの顧客が契約している既存プライベートクラウド環境の一部移行を進めており、Nutanix Enterprise Cloud OSが稼働する仮想マシンを40 ノードほど展開しています。WindowsやLinuxなど顧客が求める環境に応じて「Praclaホステッド プライベートクラウド」のサービスメニューが用意されており、Prismのインターフェースにて自由に仮想サーバーが設置できる環境を顧客に提供しています。実石氏は「現状のサービスは数名規模で運用を行っています。Nutanixは安定して動作しており、障害そのものが少ないため、展開しているノード数に対して少ない人的リソースで運用できています」と評価しています。すでに現場ではノード追加を経験するなど、サービスを停止することなく柔軟にスケールアウトできる環境が整備できています。なお、旧環境からイメージファイルをコピーして仮想マシンを作成し直すだけで、スムーズに新たな環境に移行できています。

Nutanixへの移行によって、ディスクの処理能力を示すIOPSも約3倍向上し、体感的なレスポンスの高速化を達成するなど、顧客からの評価も上々です。「お客様からは、コストもほぼ変わらずに機能面や性能面が向上したとのお褒めの言葉をいただいています」と村松氏は述べています。顧客に対して運用管理のツールとして公開しているPrismについては、使い始めた当初からサポートに質問が寄せられることもほぼなく、「柔軟な仮想マシンの追加など、順調に活用いただいている様子です。質問が来ないということは、使い勝手が良くてわかりやすいインターフェースが提供できていることの表れだと考えています」と実石氏は語ります。機能面では、スナップショットがバックアップ代わりになるなど、以前よりもデータ保全が容易になっており、顧客へのアピールにもつながっています。

以前は顧客向けの3層構成環境の調達から調整に時間と手間がかかっていましたが、今はサーバーをラックに設置するだけで複雑な調整が不要となるなど、構築負担を大幅に削減できています。「感覚的には、我々が行う作業が半分程度に軽減しており、削減できた時間で顧客対応の時間を増やすなど、サービス品質向上にも寄与しています」と寺田氏は評価しています。認知度の高いNutanixを利用することで、顧客に対して信頼感の醸成につながっていると営業からも評価の声が寄せられているといいます。

「万一障害が発生しても、AHVから得られるログが豊富で、切り分けも容易です。リモートからでも調査を行ってもらえるなど、短時間のうちに復旧できるようになりました」と寺田氏は述べています。なお、リモート対応が柔軟に実施できる安定した環境が整備できていたことで、新型コロナウイルス感染症の影響下における運用管理の面での心理的な負担軽減にも寄与しました。

今後の展開

「仮想マシンの管理性能を向上させることができるNutanix Guest Toolsなどを利用すれば、お客様が利用できる機能も増えていくため、これから検証を進めていきたいと考えています」と寺田氏は語ります。現状は静岡データセンターのみにNutanixを展開していますが、いずれは岡山データセンターにも展開し、自社内でのDR環境整備も行っていきたい考えです。

「Praclaホステッド プライベートクラウド」の基盤以外にも、グループ会社でNutanixを業務利用しており、幅広い活用を検討しています。「システムインテグレーター部門とも連携し、お客様の環境でNutanixを活用してもらうなど、案件ベースでの活用も視野に入れています。お客様に提供するメニュー開発にも新たなNutanixの機能を役立てていく方針です」と村松氏に今後について語っていただきました。