お客様

大阪の中核病院 多根総合病院、Nutanix Enterprise Cloud OS で 病院業務に必要なあらゆる業務基盤を統合

企業

大阪府の民間病院唯一の災害拠点病院として年間8,500件以上の救急搬送を受け入れている。日帰り手術センター、高精度放射線治療センター 、眼科専門病院、後方支援病院に加え、これからの超高齢社会にそなえて訪問看護や介護老 人福祉施設施設なども含めたトータルヘルスケアシステム体制を提供し 、地域医療における中核的な役割を果たす総合病院と して地域への積極的な貢献を行っている

 

業界

医療業界

課題

  • 分散環境のためインフラとデータの 管理が困難
  • 電子カルテや主要な医療アプリケー ションが実行できない
  • 更改時のシステム停止のリスク

ソリューション

  • Nutanix Enterprise Cloud OS
    • Nutanix AHV
    • Prism
  • Nutanix NX シリーズ

アプリケーション

  • 電子カルテシステム
  • 医事会計システム
  • オーダリングシステム
  • 看護業務支援システム
  • VDIによるデスクトップ環境
  • データウェアハウス
  • Microsoft SQL Server データベース
  • アンチウイルスサーバー
  • インターフェースサーバー
  • 検証環境

導入によるビジネスのメリット

  • 調達の透明化とインフラ投資の中長期計画を実現
  • 急性期病院に不可欠な安定運用環境を構築し、導入以来無停止で運用
  • 効率化により、経営的な付加価値を生む情報活用業務が可能に

「管理業務が大幅に軽減し、空いた時間を付加価値の高い業務に振り分けることができるようになりました。現場の情報を把握することで、経営的な視点で医療現場の運用にアドバイスができる”攻めのIT“が可能になりました」

社会医療法人 きつこう会 法人本部 企画部 部長 情報システム部 部長 物流管理室 室長 多根総合病院 経営改善担当 院長補佐 直江 幸範氏

課題

地域における中核病院として、そして大阪府の民間病院唯一の災害拠点病院として多くの患者から親しまれている多根総合病院。1949年大阪の西区九条に誕生した多根病院からスタートした同病院は、現在は社会医療法人きつこう会における中心的な役割を果たしています。社会福祉法人亀望会とともに、トータルヘルスケアシステム体制を整備しています。また、300床を超える規模を誇る同病院では、年間8,500件を超える救急搬送の受け入れも行っています。

分散環境のためインフラとデータの管理が困難

診療科ごとに専門機器が必要な医療業界では、医療機器と管理のためのサーバーを同時に導入するのが通例で、同病院でも同じ状況でした。「一般的には、各部門に部分最適化されたサーバーを設置しますが、医療機器とサーバーは耐久年数が異なることも多く、サーバーだけ更改する機会が少なくありません。部門ごとにバックアップを実施するなど、全体的にみるとリソースの無駄遣いが発生していました」と社会医療法人きつこう会法人本部にて企画部や情報システム部、物流管理室を統括し、同病院では経営改善担当 院長補佐を 務める直江 幸範氏が説明します。

電子カルテや主要な医療アプリケーションが実行できな

同病院で利用してきた電子カルテシステムを他の系列病院に展開するプロジェクトが始動したものの、現行のシステムだけでは医事会計や放射線科情報システ(RIS)などの業務がカバーできず、幅広い業務に適用可能な電子カルテシステムへ切り替えることを決断しました

更改時のシステム停止のリスク

直江氏は、各部門に設置されている医療機器との接続に関する複数ベンダーとの調整や、拡張に向けた仕様変更が発生することもあるため、従来の3層構成からの脱却が不可欠と考えていました。また、現行システムでは拡張時にシステムを停止する必要があり、急性期病院として24時間365日止まらない環境への移行を求めていました。

ソリューション

新たな基盤には、将来的な拡張に柔軟に対応でき、急性期病院に不可欠な安定運用が可能で、各病院に点在するサーバー全てが集約できるよう省スペースな基盤であることが求められました。「以前3層構成の環境で苦労したことを考えると、短期間で導入でき、自由度の高いHCIソリューションのNutanix Enterprise Cloud OSが最適だと考えました」と直江氏。クラウドサービスも検討しましたが、コストが見合わないだけでなく、インフラが止まった際の対応など懸念事項があったと振り返ります。

現状は、NXシリーズが本番環境で11ノード、バックアップ用に5ノード稼働しており、電子カルテを中心としたオーダリングシステムや看護業務支援システムをはじめ、医事会計や診断・会計など各種待受表示、麻酔記録、感染管理、勤怠管理、臨床・病理検査の部門システム、分析用のデータウェアハウス(DWH)を全てNutanix上で動かしています。Microsoft SQL Serverデータベース(DB)サーバーやアンチウイルスサーバー、インターフェースサーバー、検証環境も含めて10台ほどの仮想マシン(VM)が稼働しており、600ユーザーが同時接続可能なVDI環境もこれから稼働予定です。

導入効果

調達の透明化とインフラ投資の中長期計画の実現

Nutanixを導入した最大のメリットとして、予算策定のしやすさを挙げており、「毎年ノードを少しずつ追加することで、入れ替えタイミングで大規模な予算を確保する必要がないため、経営へのインパクトも最小限で済みます。柔軟性が高いNutanix Enterprise Cloud OSであれば、新たな設備を導入する際もサーバーのサイジングをせずにNutanix上で動かせるため、精神的な負担もありません」と直江氏は述べています。

「容易にスケールアウトできるため、毎年少しずつ増設していくことで、単年度に大きな投資を発生させずに現場に必要な環境が用意できます。固定費として毎年インフラに投資できるのは大きな強み」で、さらにハイパーバイザーにAHVを活用することで、従来の仮想化に比べてコストを抑えることが可能な点も採用の決め手だったと語ります。「従来は医療機器とサーバー類を一緒に調達していましたが、管理サーバーを全て切り離すことができたため、費用の面でも分かりやすくなりました」と調達における透明化が図られたことは大きな効果だと直江氏は説明します。また、各医療機関に設置していたサーバー類が集約できることで、省スペース化にも大きく寄与していると語ります。

急性期病院に不可欠な安定運用環境を構築し、導入以来無停止で運用

「安定した仕組みはもちろんですが、自分たちの悩みを解決するソリューションをいち早く導入するには、技術を持っているNutanixを選択するのが当然だと考えました」と直江氏は評価しています。

効率化により、経営的な付加価値を生む情報活用業務が可能に

「サーバー管理をPrismだけで行うことができるため業務がシンプルになりました。ハードウェアの問題も発生しないため、管理業務が大幅に軽減し、空いた時間を付加価値の高い業務に振り分けることができるようになりました。現場の情報を把握することで、経営的な視点で医療現場の運用にアドバイスができる“攻めのIT”が可能になりました」と直江氏は評価します。

今後の展開

現在は、多根総合病院、多根脳神経リハビリテーション病院、多根クリニックがNutanix上で統合されており、数年後に保守切れが発生するタイミングで、多根記念眼科病院や多根第二病院、介護老人保健施設なども全てNutanix環境に移行する計画です。今後、現状の16ノードから新たにノード追加が予定されており、さらに医療用画像管理システムであるPACSもNutanix上の基盤で動かすなど、業務基盤のさらなる統合が進められていく予定です。今回行われたNutanix Enterprise Cloud OSによる業務基盤の統合に関しては、同病院が参加参画している「民間病院を中心とした医療情報連携フォーラム(MIRF)」などを通じて、対外的にも情報共有していく方針です。また、医療現場の運用改善や経営戦略に蓄積しているデータの活用をさらに促進していくと、直江氏は締めくくります。NUTANl>{TM