お客様

北洋銀行、店舗窓口のミッションクリティカルな業務環境を無停止で移行

約6,000台の端末やタブレットで利用するCitrix Virtual Apps and Desktops 環境を Nutanix AHV ハイパーバイザーへ無停止で移行

業界

金融

課題

  • ミッションクリティカルな業務環境の移行
  • シンクライアントシステムの老朽化
  • ハイパーバイザーを移行するための専門知識が不足していた

ソリューション

Nutanix Cloud Platform

  • Nutanix AOS
  • Nutanix AHV
  • Nutanix Prism
  • Nutanix Move

Nutanix コンサルティングサービス

Nutanixテクニカルアカウントマネージメント (TAM) サービス

Citrix Virtual Apps and Desktops

アプリケーション

  • 行員のイントラ業務、コールセンター業務等のアプリケーション

導入によるビジネスのメリット

  • 全行員が利用する業務アプリケーションをホストする仮想デスクトップ環境をダウンタイムなく移行
  • シンクライアントシステムの可用性向上
  • Hyper-VからNutanix AHV への移行による仮想化基盤のトータルコストの削減

 

「今回移行したのは、営業店の業務端末やタブレットで利用するCitrix Virtual Apps and Desktops 環境で、ほとんどの 行員がお客さまサービスや日常業務で使用しています。そのため、業務に支障をきたす障害を起こすことは許されません。Nutanix に移行してからは、そのような障害が発生することなく安定稼働しています」

株式会社北洋銀行システム部 部長 和地 則幸 氏

課題

北洋銀行は、札幌に本店を構える道内最大の地方銀行です。人口減少など、ますます厳しさを増す経営環境を見据え、「お客さま本位を徹底し、多様な課題の解決に取り組み、北海道の明日(あす)をきりひらく」というグループ経営理念を新たに打ち出しました。この理念のもと、お客さまにより近い存在となり、より深くお客さまのことを考えたコンサルティングと最善のサービス・ソリューションの提供に取り組んでいます。

同行では2010年から行員の業務端末として使用していたPCの老朽化対応策としてシンクライアント化に取り組み、2012年から段階移行に着手していました。インフラ部分は Microsoft Hyper-V を採用したサーバー仮想化と、Citrix Virtual Apps and Desktops によるデスクトップ仮想化を実現していましたが、運用上の課題を感じていたといいます。

「従来の3層構成だと、基盤構築や維持のコストが高くなってしまいます。システムの更改時期もバラバラなため、更改毎に大きなコストがかかってしまいます。銀行業務は、システム移行時であっても予定外のダウンタイムは許されません。サービスの可用性と安定稼働を最優先に考えなければいけませんでした。こうした背景から、レガシーインフラに限界を感じていました」と、北洋銀行 システム部 部長の和地 則幸氏は当時の状況を振り返ります。

ソリューション

2015年、北洋銀行はハイパーコンバージドインフラストラクチャ(HCI)の検討を開始しました。シンクライアントシステムの保守満了時に従来のインフラから Nutanix の HCI の導入に踏み切りました。システム部 管理役の伊東 英樹氏は、「段階的な投資を可能にする優位性に加えて、システムの拡張・刷新が簡単にできそうだと感じました。長期的な活用とシステム更改のシンプル化を目的に、 Nutanix Cloud Platform の導入を決めました。最初に導入して以来、システムの更改も経験しましたが、ビジネスが止まることなく作業がスムーズに完了しました」と語ります。

もう1つの決め手になったのが可用性です。システム部 主任調査役の高橋 宏和氏は、次のように評価します。「従来のシステムでは、仮想デスクトップシステムのユーザープロファイルの入っているサーバーはホットスタンバイや RAID を組んで冗長化していましたが、システムが停止し、一部のユーザーに迷惑をかけることもありました。 Nutanixでは、RF3(Replication Factor 3)で同じデータを3ノードに保持しておけば、2ノードの同時障害があってもシステムを止めずに済むので安心でした」

同行では、移行を円滑に進めるためにNutanixコンサルティングサービスとテクニカル・アカウントマネージメント(TAM)サービスを活用しました。「当行には、ハイパーバイザーの移行に関する知見がなかったので、技術的なサポートを受けることにしました。 Nutanix のエキスパートの皆さんは、自社製品以外のノウハウも持っていたため、安心して移行を進めることができました」と、システム部 調査役の谷野 勝俊氏は語ります。

続いて、2019年に移行先としてNutanix AHV ハイパーバイザーでの基盤の構築を完了し、2020年5月から段階的に Citrix Virtual Apps and Desktops 環境をMicrosoft Hyper-V から Nutanix AHVハイパーバイザーへ移行しました。移行は、キンドリルジャパン合同会社(当時、日本IBM)とNutanixコンサルティングサービスが連携して綿密な計画を立案し、週末を使い12回に渡り実施しました。

導入効果

約6,000台の端末やタブレットで利用するCitrix Virtual Apps and Desktops が稼働する環境を、Nutanix Move を使用してNutanix AHV へ無停止で移行できました。

「今回移行したのは、営業店の業務端末やタブレットで利用する Citrix Virtual Apps and Desktops 環境で、ほとんどの行員がお客さまサービスや日常業務で使用しています。そのため、業務に支障をきたす障害を起こすことは許されません。Nutanixに移行してからは、そのような障害が発生することなく安定稼働しています。また、システムの保守期限がきても、業務システムに影響を与えずスケールアウトが可能なため、まったく手間がかからず、銀行としてはトータルコストが削減され投資効果が高いと言えます」と和地氏は語ります。

高橋氏は、「ハイパーバイザーを Microsoft Hyper-V から Nutanix AHV に移行しました。新しいハイパーバイザーはOSのサポート範囲がとても広く、その点でもNutanix導入のメリットを感じています」と、障害面以外にも保守性が大きく向上したと語ります。

今後の展開 

今回は情報系システム領域の移行プロジェクトでしたが、北洋銀行では2023年1月に、他の地銀と広域連携した枠組み『 TSUBASA アライアンス』における、基幹系共同システムへのホスト環境の移行を予定しています。

「現在、TSUBASA への移行後のシステムをどうするかを検討する時期に来ています。更なるリモートワークの推進やクラウド活用等の検討も進めているところです。こうした新しい仕組みづくりにおいても、Nutanix Cloud Platform 以外にもコンサルティングサービス等の提供やさまざまな提案を期待しています」と、和地氏は今後の展望と期待を述べてくださいました。