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Vodafone 社、エンドユーザーコンピューティング戦略でリモートワークを実現 

スタン・ギブソン */ テクノロジージャーナリスト 

 

世界各地に大勢の従業員をかかえる中、労働力の強化を図るVodafone 社。同社にて、仮想化デスクトップ テクノロジーを運用するにあたり、ハイパーコンバー ジドインフラストラクチャ、そしてパブリッククラウ ドが、どのように活用されたのだろうか。

Vodafone 社における VDI とビジネスアプリケーショ ンの活用方法について、ニュータニックスのシニアテ クノロジスト、ルーベン・スプルートが同社でリモー トアクセスのリードアーキテクトを務めるマイケル・ ヤンセン氏にお話を伺った。

新型コロナウイルスがまん延し、世界中のビジネスが 動揺の渦に巻きまれる中、多くの企業が自宅に居なが らにして重要業務の継続を可能にするテクノロジーを 求めていた。Vodafone 社もその一社だが、高いスケー ラビリティを備える HCI(ハイパーコンバージドイン フラストラクチャ)とパブリッククラウドを併用し、 仮想化デスクトップテクノロジーを駆使して対応している。

英国を拠点とする Vodafone 社は、時価総額 620 億ドル規模を誇る通信事業者だ。従業員は世界各国の拠点 に広がり、その人数は約 5 万人。同社では VDI(仮想 化デスクトップ)を活用し、パンデミックにより前代未聞の緊張を強いられる中、高いレジリエンスと信頼 性を提供することに成功している。

ヤンセン氏 「ショップや小売店の多くは、世界中で休 業を余儀なくされています。今開いている店も、すぐ に休業することになるでしょう。お客様に対応するコ ンタクトセンターの機能も、担当者が自宅で応答する 業態へと徐々に移行が進められています」

ヤンセン氏は続けるー 「在宅勤務者のニーズは、幸 いにも、リモートオフィス勤務の従業員のニーズと類 似していたため、オンラインでの在宅勤務は早い段階で実現することができました。在宅勤務に移行する従 業員は数千人にものぼりましたが、それに対応できる だけの能力が、Citrix の DVI 環境がすでにありました。 当社のユースケースの 85%は、アプリケーション仮想化に基づいており、SBC(Server Based Computing) 方式で、Citrix Virtual Apps を使用しています」。

「従来の 3 層仮想化インフラストラクチャをオンプレミ スで運用していたのですが、ニュータニックスの HCI と Microsoft Azure のパブリッククラウドを組み合わ せた、新しいハイブリッドアーキテクチャへ切り替え る計画です。今はまさに移行中にあたります。もう 1 つのユースケースは Citrix Virtual Desktops で、これも従来通り、オンプレミスの 3 層仮想化テクノロジー で実行しています。Azure の WVD(Windows Virtual Desktop)に移行したいと考えています。Citrix Cloud サービスと組み合わせ、追加した HCI 上でオンプレミ ス DVI を運用し、同時に WVD も使用するという期間を、 暫定的に設けるかもしれません」とヤンセン氏は話した。

HCI は、ストレージ、コンピューティング、ネットワー クの機能を、単一の仮想化システムに統合している。 ソフトウェア定義の仮想化システムは、データセンター の運用を効率化し、スケーラビリティの向上を図る。

仮想化デスクトップは、HCI において導入当初から運 用が想定されていた。仮想化デスクトップを追加する と、コンピューティング機能やメモリのプールが使わ れる。すると、オペレーティングシステム、アプリケー ション、そしてユーザーファイルに必要なストレージ とともに、そうしたリソースをさらに追加するのだ。 仮想環境では、このプロセスがよりシンプルになる。

「VDI を使うなら HCI がしっくりきます。HCI ならスケー リングもスムーズにできるからです。まるでレゴを重 ねていくかのようですね。サーバーのスケールアウト を考えた場合、技術的要件の観点からニュータニック スが魅力的でした。ビジネスにおいて必要不可欠な ア プリケーションには、堅牢なバックエンドが必要です。 ニュータニックスはこれを叶えてくれます」とヤンセ ン氏。

VDI を活用する企業は、Vodafone 社以外にも世界中で 増加している。Markets and Markets によると、仮想 化デスクトップの市場は、CAGR(年平均成長率)で 11.4% 増加しており、2020 年中に 134.5 億ドルに達すると見込まれている。

 

国境を越えて従業員を 幅広くサポート

Vodafone 社で VDI の導入を必要とするのは、主に次 に属する。まず、ヨーロッパ全社のカスタマーコンタ クトセンター。次に、イギリス、ドイツ、イタリア、 オランダなど、ヨーロッパ内でも市場が大きな国にあ る小売店が挙げられる。そして最後に、世界のローカ ル市場でシェアードサービスの役割を担う従業員だ。



Vodafone 社がニュータニックスの HCI テクノロジー に注目した理由として、複数の異なるハイパーバイザー をサポートしている点をヤンセン氏は挙げている。

Vodafone 社のオンプレミス環境では、VMware ESXi をデフォルトのハイパーバイザーとしているが、今後 はニュータニックスの AHV(Acropolis Hypervisor) を使い、オンプレミスにおける多くの動的ワークロー ドに対応する計画だ。

ヤンセン氏はオンプレミス VDI を例に挙げて「、VMware ESXi のライセンスコスト削減を目指した結果、AHV を 採用するというアイデアにたどり着きました。AHV に は必要な機能がすべて揃っている上、追加料金が発生 することもありません。Citrix をニュータニックスに組 み合わせれば、VDI における管理も拡張も容易になり ます。Citrix のツールは、ニュータニックスに統合が可 能です。例えば、Citrix Studio や Director といった管 理コンソールです。また、PVS(Provisioning Server) や MCS(Machine Creation Service) 用 の プ ラ グ イ ンも用意されています。加えてニュータニックスは、 VDI や Citrix Cloud 製品へのアクセス時に利用できる InstantOn も提供しています」と話す。

 

将来に向けて

メインフレームの時代から 30 年以上の経験を重ねたヤ ンセン氏は、エンドユーザーコンピューティングの進 化を広い視野で捉えている。

ヤンセン氏 「従来の PC、ノート型、または VDI でも、 その目的は、顧客に対応する従業員に最高のパフォーマンスを提供することです」

また、ヤンセン氏は世界経済の変動に関わらず、仮想 化アプリやデスクトップの上での業務を支えるリモー トアクセスソリューションにはメリットがあると話 すー 「目に見えないインフラストラクチャの管理では なく、目の前にあるもの、つまりアプリケーションに 集中できる環境が、あらゆる組織で実現できるのです」。

ニュータニックスは、HCI を基盤として SBC 方式で VDI を運用し各地のオフィスや自宅からリモートで働 く Vodafone 社の従業員に柔軟な労働環境を提供する ことができた。今後もニュータニックスは困難な時代 を生き抜く企業をサポートしていく。

(2020 年 4 月 10 日 , THE FORECAST by NUTANIX)
記事構成:ニュータニックス・ニュース! 編集部 , Nutanix Japan

*スタン・ギブソン氏はテクノロジージャーナリスト。

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