お客様

スクウェア・エニックス、大量のWebサイトをホスティングする柔軟な仮想環境を構築

Nutanix FlowとNutanix Filesを用いて、ゲームタイトルごとに異なる多種多用な要件への迅速な対応と運用の簡素化を実現

業界

ゲーム・出版業界

課題

  • 不具合が頻繁に発生するプライベートクラウド基盤からの脱却
  • ゲームタイトルごとのホスティングサーバーにおけるマイクロセグメンテーション作業の効率化
  • ハードウェアの導入・保守費用の削減

ソリューション

  • Nutanix Cloud Platform
    • Nutanix AOS
    • Nutanix Prism
    • Nutanix Flow
    • Nutanix Files

導入によるビジネスのメリット

  • 高い拡張性により、ユーザー数の増加に合わせたスケールアップが可能に
  • シンプルなUIと高い集約性で、運用や更新にかかる工数を大幅に削減
  • 外部の共有NFSストレージが不要となり、ハードウェアコスト削減とストレージエンジニアの負荷を大幅に低減
  • マイクロセグメンテーションによりWebサイトごとに独立したセキュリティを担保
  • 更改時の作業負荷を大幅に軽減
 

「スモールスタートが可能なNutanixは、拡張性や分散性にも優れているので、費用対効果の高いインフラを構築できました。従来と比べて約15~20%はコスト削減できていると思います」

– 情報システム部 ITインフラストラクチャー ビジネスオンラインインフラストラクチャーシステムグループ マネージャー 中田 康敬 氏

「Nutanix Flowを導入したことで、タイトルごとの多種多様な要件対応やネットワークの設定が以前より容易になりました。突発的なプロモーション用Webサイトの環境構築依頼にも迅速に対応でき、運用管理の工数も削減されています」

– 情報システム部 ITインフラストラクチャー ビジネスオンラインインフラストラクチャーシステムグループ 陳 炫樺 氏

課題

株式会社スクウェア・エニックスは、創造的かつ革新的なゲームソフトを中心にさまざまなコンテンツ/サービスを提供する企業です。特にゲームの開発・販売事業ではヒット作を生み出し続けており、代表的なゲームタイトルには『ドラゴンクエスト』シリーズ、『ファイナルファンタジー』シリーズがあります。同社では既存のゲームタイトルの運営に加え、新規ゲームタイトルをリリースしています。

現在販売されている大半のゲーム機にはオンライン接続機能が搭載されており、アクセス数の急激な増加に対応しつつ、快適なゲームプレイと安定稼働を実現する必要があるため、拡張性や処理性、可用性などの要件を満たす基盤が求められます。各ゲームタイトルのプロモーション用Webサイト、オンラインゲームの基盤の設計から構築、運用管理を、同社の情報システム部 ITインフラストラクチャー ビジネスオンラインインフラストラクチャーシステムグループに所属する数名のエンジニアが手掛けています。

新規ゲームタイトルリリースが多い同社では、複数のプロジェクトからWebサイトの設置依頼が入ることも多く、短納期でプロモーション用Webサイトの環境を構築しなければいけないケースも珍しくありません。こうした突発的な依頼に迅速に対応しつつ、サーバー環境構築・運用コストを削減するため、同社はオープンソースのクラウド基盤ソフトウェアを採用してプライベートクラウドを構築していました。しかし、不具合が頻繁に発生するなど、満足のいく運用ができていませんでした。

ソリューション

こうした状況を打開するため、注目を集めていたHCIに着目し、Nutanixを選定しました。ビジネスオンラインインフラストラクチャーシステムグループ マネージャーの中田康敬氏は次のように語ります。「Nutanixを選んだ理由は、競合製品と比べてスモールスタートが容易だったためです。標準搭載されているWebベースの管理ツールNutanix Prismを活用することで、サーバー、ストレージなどのさまざまな設定の確認や変更が簡単に行えるため、煩雑な運用から解放されることを期待し、選定しました」

Nutanix導入当初は4~5ノード数から利用を開始しました。既存のプライベートクラウドのインフラと並行で運用しながら、段階的にNutanixのノード数を増設し、2019年にはNutanix FlowとNutanix Filesのソフトウェアライセンスを追加購入しました。

常に複数のプロジェクトが動いており、ゲームタイトルごとにサーバーに求められる要件や負荷状況も異なります。また、同社のプライベートクラウドには複数の開発会社がアクセスし、また開発環境と本番環境が混在することもありました。そこでNutanix Flowを導入し、環境ごとにネットワークを隔離、セキュリティ管理の効率化を実現しました。

「Nutanix Flowであれば、多様なプロジェクトやゲームタイトルごとのシステム要件や負荷に合わせてマイクロセグメンテーションを設定できます。各プロジェクトに最適なネットワーク環境の構築と、それによるセキュリティ強化を期待して導入しました」と中田氏は語ります。

また、Webサイトのコンテンツファイル群を統合的に管理し、ストレージ環境の設計、構築、運用などを同グループ内で行うために、Nutanix Filesを導入しました。「当社のWebサイト用のコンテンツファイル群を保存する目的であれば、Nutanix自体の機能でファイルの読み書きやバックアップの性能要件を十分満たすことができると考え、Nutanix Filesを導入し、既存のストレージを撤去しました」と中田氏は説明します。

導入効果

Nutanix導入の効果について、ビジネスオンラインインフラストラクチャーシステムグループの陳炫樺氏は「Nutanix Flowでは、Webベースの管理ツールからネットワークポリシーの設定を柔軟に変更できます。やりたいことがすぐに実現できる運用性が一番の導入効果だと思います」と語っています。

Nutanix Flow導入前は、ネットワークを仮想環境ごとに分断させる際、手動でファイアウォールの定義を変更していました。「Nutanix Flow 導入後は、Web GUIからワンクリックでネットワークセグメントを分断できるので、運用管理が楽になりました」と中田氏は語ります。

Nutanix Filesの導入は運用工数と費用削減にも大きく貢献したといいます。「Nutanix Filesを導入して共有ストレージをNutanix内に構築したことで、既存のストレージを利用する必要がなくなり、従来と比べて費用は15~20%は削減できていると思います。ストレージアプライアンスが不要になったので、当社のストレージエンジニアの工数削減にも大きく貢献していると思います」と中田氏は説明します。

さらに、同社はNutanixのサポート体制を高く評価しています。「Nutanixのサポートは、どんな質問をしても迅速かつ的確に回答していただけるので非常に助かっています。当社のゲームは、非常にたくさんのユーザーが利用しています。ただ単に障害や事象を解決できるナレッジベースのURLをメールで案内するだけでなく、ユーザーへの影響を考慮したうえで設定変更などの提案をしてくださるので、とても感謝しています」と陳氏は話します。

今後の展開

直近の目標は、Webホスティングしていたプライベートクラウドの基盤をすべてNutanixに集約することだといいます。「Nutanixでは従来型のインフラと比べてハードウェアの交換が容易にできると聞いているので、ハードウェア交換に伴うソフトウェアの設定変更の工数削減に期待しています。急激なユーザー数の増加にも対応し、常に快適なゲームプレイ環境を提供できるよう、キャパシティの拡張も検討しています」と陳氏は語ります。

また、災害対策(DR)として、ハイブリッドクラウドの活用も検討しているといいます。「トラブルでメインの基盤が使えなくなったときのDR環境を構築しなければなりません。パブリッククラウドとの連携も含めて対策を検討していきたいと思います」と中田氏は語ってくださいました。