企業
三井住友海上あいおい生命保険は、MS&ADインシュアランスグループの中核生命保険会社「。健康で安心なくらしを支える生命保険会社」を目指し、多様化するお客さまニーズに応える商品・サービスを
業界
生命保険業界
課題
- 5~6年ごとに基盤更改が発生するためコスト、要員の負担が大きい
- 導入プロセスが複雑なため、サーバー構築時のリードタイムが長い
- これまでのソリューションでは、高い可用性や高度なセキュリティとシステムの柔軟な拡張性の両立が困難
ソリューション
- Nutanix NX シリーズ
- Nutanix Enterprise Cloud OS
アプリケーション
- 保険設計や新契約の申込から成立、契約管理を担う基幹システム
- コールセンターを支援する受電履歴等のシステム
- エンドユーザーコンピューティング(EUC)をサポートするデータウェアハウス(DWH)、データダウンロードシステム
- 営業推進
導入によるビジネスのメリット
- サーバーインフラのコストを40%削減
- 仮想サーバー立ち上げまでの期間を従来の1/3に短縮
- ミッションクリティカルな基幹システムに求められる可用性、高度なセキュリティとクラウドライクな柔軟性と拡張性を両立
- Nutanixの直感的なUIにより運用効率とスキル習得スピードが向上
「金融や公共団体での実績が後押しとなり、Nutanix を導入して1年が経過しますが、機器やOSの故障などによる予想外のトラブルは一度も起きていません」
MS&ADシステムズ株式会社 生保本部 生保システム第二部長 氏田 恭久 新
「慢性的に基盤、運用SEの確保が難しくくなっている中で、将来的なクラウド化は避けて通れません。自社の技術レベルいくことは重要。その基盤としてNutanixは適しています」
MS&AD システムズ株式会社生保システム第二部 MSA基盤運用グループグループ長川﨑 龍郎 氏
「Prismの画面から全て確認ができるため、運用が直感的 でシンプルになっているのは間違いありません」
MS&AD システムズ株式会社生保システム第二部 MSA基盤運用グループグループ長二神 圭介 氏
課題
三井住友海上あいおい生命保険株式会社は、MS&ADインシュアランスグループの中核生命保険会社です。「健康で安心なくらしを支える生命保険会社」を目指し、多様化するお客さまニーズに応える商品・サービスを開発・提供しています。社内での検討の結果、数年後に控えた基幹システムのサーバー基盤の保守切れを前に、プラットフォームを刷新するプロジェクトが立ち上がりました。この更改に際し、リソース管理に関する以下の課題に取り組むこととなりました。
- 約100台の物理環境のハードウェアでは、5~6年ごとに基盤更改が発生するため、特定の年度にコストや要員の負荷が集中し、負担が大きい。また、CPU、メモリ、ストレージなどの互換性の問題からリソース拡張にも制約がある
- 3層構成では、サーバーの搬入からセットアップまで少なくとも数ヶ月かかる
- 重要な個人情報を管理する生命保険の基幹システムであり、きわめて高い機密性と可用性が求められる
ソリューション
MS&ADインシュアランスグループのシステム中核会社であるMS&ADシステムズ株式会社の新田氏ら、同社の生命保険システムのインフラを担当するチームが様々なソリューションを比較検討して選んだのが、Nutanix Enterprise Cloud OSでした。「Nutanixであれば5、6年ごとのシステム更改に大きな投資をすることなく投資の平準化が可能です。また、導入までのリードタイムが大幅に短縮できる点を高く評価しました」と新田氏は述べています。
三井住友海上あいおい生命保険は、すでに情報系システムでもNutanixを利用した実績があったことから、基幹システムの基盤としてNutanix Enterprise Cloud OSを採用することが決定しました。
現在2020年から2021年にかけて実施する基幹システムとコールセンターシステムの基盤更改に向けて、関東エリアの拠点に5ノードずつ2つのクラスタ、合計10ノードのNutanixを導入し、非同期レプリケーションであるNearSyncにて冗長化を図っています。別途バックアップ環境としてディザスタリカバリ (DR) サイト用の1クラスタを関西に展開する計画となっています。また、開発環境に3ノード、テスト環境に3ノード用意されており、合計21ノードが稼働する予定です。基幹システム上には、保険の設計書を作成する「販売支援」の仕組みをはじめ「、新契約「」保全変更「」案内収納」「保険金」「数理統計」「経理」「代理店」など保険業務に欠かせない重要システムが稼働する予定です。なお、情報系システムのサーバーは当初に3ノード、翌年に2ノード追加し、今後は他システムも含めた集約基盤として拡張する計画となっています。
導入効果
サーバーインフラのコストを40%削減
手順がシンプルになり作業期間も短縮されるため、インフラ構築に係るコストを約40%削減することができました。また、ラックの数も半分以下となり、スペース効率が向上し、消費電力の削減にも繋がっています。
仮想サーバー立ち上げまでの期間を従来の1/3に短縮
新田氏が導入にあたって、Nutanixのユーザー事例企業の何社かに直接足を運んで詳細な情報をヒアリングしたところ、システムの安定性や柔軟性、拡張性などの点でNutanixへの評価が非常に高いことがわかりました。「金融機関や公共団体でのNutanixの導入実績が豊富だったことで経営層へ稟議がスムーズに進みました」と新田氏は述べています。Nutanixは導入と設定が容易なため、実装までのリードタイムを従来から約1/3に短縮することができました。
ミッションクリティカルな基幹システムに求められる可用性、高いセキュリティとクラウドライクな柔軟性を両立
三井住友海上あいおい生命保険の基幹システムは、ミッションクリティカルなシステムであり、高い可用性が求められます。また、顧客の金融機関情報や機微情報なども取り扱うため、個人情報保護の観点から高いセキュリティレベルを確保する必要がありました。新田氏は、「Nutanixの高い安定性とクラウドのような柔軟性と拡張性により、オンプレミス環境で、システムに求められる要件を実現することができました」と述べています。
急なシステム対応の面でも、Nutanixの柔軟性が生かされています。「オンプレミスで展開していたIP電話の基盤とクラウドを連携させて代理店向けのコールセンターシステムを検討から数か月で立ち上げたことがあります。Nutanixの高い柔軟性により、短期間での新たな環境の準備が間に合いました」と新田氏は述べています。
同社ではコールセンター向けに、顧客との会話をAIや音声認識を活用してテキストマイニングし、FAQを作成するといったデジタル化の取り組みも始まっており、AI用の基盤をスピーディに用意する場面でもNutanixの高いパフォーマンスと俊敏性が活かされています。「迅速にサーバーリソースを用意して本稼働前のテスト環境を用意するといった際にもNutanixが役立っています」と生保システム第二部 MSA基盤運用グループ グループ長の川﨑氏は評価します。
Nutanixの直感的なUIにより運用効率とスキル習得スピードが向上
三井住友海上あいおい生命保険では、社内ではサーバーシステムの運用は行っていないものの、Nutanixであれば内製化も可能と考えています。「何かあればPrismの画面から全て確認ができるため、運用がシンプルになっているのは間違いありません」とMSA基盤運用グループプランナーの二神氏は評価します。新田氏も「Prismの活用により、ノードの追加が必要かどうか、リソースの確保が適切かどうかといった判断が自分たちでもできるのは大きい」と評価します。
「複雑な基盤の場合、ノウハウが属人化したり、社外の保守サービスによる運用に頼らざるを得ませんが、Nutanixであれば操作が直感的でシンプルなので、容易にスキルを習得できます。サーバーの基盤をNutanixに切り替えたことで、品質改善と生産性向上につながると期待しています」と川﨑氏は述べています。
今後
将来的には、システム部門の管理外にある収益分析といった他部門のシステムもNutanixに統合し、セキュリティ管理を強化しながら自由度の高いシステムを構築していくことも視野に入れています。また、デジタル化が加速していくなかで、IoTなど新規のシステム構築がこれからも増えていくことが想定されています。「今後、Nutanix基盤に新たなシステムやアプリケーションを統合していく予定です。クラウドへの展開も視野に、Nutanixを活用していきたいと考えています」と川﨑氏は説明します。