お客様

岐阜県庁、行政デジタル化に向けたテレワークをNutanixで実現

コロナ禍での1,400名を超える職員の在宅勤務へのニーズに対応

業界

地方自治体

 

課題

  • 小規模なテレワーク環境からスモールスタートし全職員へ展開
  • コロナ禍での3密回避のための在宅勤務ニーズの急増
  • レガシーインフラにおけるストレージ管理と拡張に関する特殊なスキルと運用の負担
  • BCP対策の推進の難しさ

ソリューション

Nutanix Cloud Platform

  • NutanixAOS
  • Nutanix Prism
  • Nutanix Files 

VMware Horizon View 仮想デスクトップ

NVIDIA vGP (仮想GPU) / NVIDIA 仮想 PC (vPC) 

アプリケーション

  • 人事給与システム
  • 財務会計システム
  • Microsoft Office365
  • ビデオ会議
  • チャットツール

導入によるビジネスのメリット

  • 全職員へモバイルワークなど利用シーンに応じたコストパフォーマンスの高いテレワーク環境を実現
  • 約1,400名を超える職員の在宅勤務への急なニーズへの迅速な対応
  • Nutanix Filesにより安全で簡単なデータ共有と、USBメモリ利用時の申請手続きを排除

 

「ベンダーロックインせずに、レガシーアーキテクチャから脱却するプラットフォームを調達することで、SANストレージの運用負荷を排除し、運用コストを削減できます。さらに、ハードウェア機器の更新とソフトウェアバージョンのアップグレードを分離できるようになりました」

岐阜県総務部次長情報化推進担当 阿部修二氏

課題

日本のほぼ中央に位置する岐阜県は、7つの県に囲まれた内陸県で、北部の飛騨地域には御嶽山、乗鞍岳、奥穂高岳など、標高3000mを超える山々が連なります。南部の美濃地域には、「日本の名水百選」に選ばれる長良川中流域があり、自然を生かした産業が発展しています。

岐阜県では、2019年10月に「岐阜県官民データ活用推進計画」を立案し、2021年2月からは「岐阜県デジタル・トランスフォーメーション推進戦略会議」を設置して、行政のデジタル化に取り組んでいます。コロナ禍をきっかけに、働き方改革やデジタルトランスフォーメーション(DX)基盤の一環として、テレワーク環境の整備を加速させました。岐阜県庁の職員が働く環境を快適にし、テレワーク環境のコスト削減と長期にわたって安心して利用できるIT基盤づくりが必要でした。こうした課題を解決するため、ハイパーコンバージドインフラ(HCI)と分散システムを採用したNutanix Cloud Platform の導入を決定しました。

岐阜県DXを推進する岐阜県総務部次長 情報化推進担当の阿部 修二氏は、取り組みの概要を次のように説明します。「岐阜県では、DXを通じて県民の生活を豊かに、安心に、便利に、というコンセプトを実現するために、行政のデジタル化や市町村行政のDX支援、そして各分野のDXを柱とする岐阜県DXを推進しています。岐阜県でのDXの中には、行政サービスのオンライン申請やチャットボットを活用した行政相談などの県民向けサービスと、医療や介護、農業と産業など各分野の課題を解決するイニシアティブがあります。こうした数々の対応において職員の柔軟な働き方を支えるテレワークの導入やWeb会議の基盤整備は必要不可欠であり、ICTやBCPの構築と保守を簡素化するテレワーク環境整備のために、Nutanix Cloud Platformを導入しました」

ソリューション

岐阜県の庁内ネットワークは、総務省が提示する「自治体情報セキュリティ対策」による「三層分離」で構成されています。県庁舎内の職員の多くは、これら三層の中で、主にLGWAN接続系で提供されるグループウェアや業務システムを利用しています。「岐阜県庁では、在宅やモバイルワークなどの利用シーンを整理し、3種類のテレワークシステムを導入しました。標準ユーザー向け仮想デスクトップ(VDI)環境、行政専用ネットワーク(LAGWAN)を活用したリモートデスクトップ環境、メールやスケジュール機能限定のモバイル環境に応じたテレワーク環境を整備して、コストパフォーマンスの高いテレワーク環境を全職員に提供することに成功しました」と阿部氏は語ってくださいました。

岐阜県庁が構築したテレワークVDI環境は、外部のデータセンターにサーバーを用意し、職員が在宅勤務で利用するVDI端末から閉域ネットワークでアクセスします。外部のデータセンターと県庁舎内のLGWANは閉域ネットワークで結ばれているので、安全な接続経路が確保されます。このテレワークVDI環境のHCIと分散システムとしてNutanix Cloud Platformが導入されました。

Nutanix Cloud Platformを選定した背景について、阿部氏は「Nutanixには、以前から着目していました。一般的に、SANやNASを利用するVDIの場合、ソフトウェアの選択はストレージベンダーに依存してしまう場合が多いです。また、その運用には、専門的なスキルが求められる上に、ストレージの拡張が容易ではありません。それに対して、NutanixのHCIで構成する分散ストレージならば、ベンダーロックインされず、サーバのローカルディスクを有効に活用できると考えました」と述べています。

さらに、「Nutanix Files によるセキュアかつ容易なデータ共有も魅力でした。 以前、国内で最大級の仮想化基盤を導入した際、スケールアウトするストレージ拡張やBCP対策に苦労しました。それゆえ、岐阜県のVDI環境ではSANを利用しない分散ストレージを採用した かったのです」と阿部氏は補足します。

導入効果 

岐阜県庁のテレワークでは、3種類のアクセス方法を組み合わせ、PC以外のスマートデバイスも活用することで、コストを約8分の1に圧縮したテレワーク環境を全職員に提供することができました。

Nutanix Cloud PlatformでのVDI環境の構築による効果について、阿部氏は「HCIと分散ストレージの採用により、ICTやBCPの構築と維持を簡素化できるようになりました。また、ベンダーロックインせず、レガシーアーキテクチャから脱却する基盤を調達することで、SANストレージの運用負荷を排除し、運用コストを削減できました。さらに、ハードウェア機器の更改とソフトウェアのバージョンアップを分離した運用も可能になりました」と評価します。

また、Nutanix Files の導入効果について「以前は、USBメモリを使って職員がPC間でのデータ交換を行っていました。それがNutanix Filesによって、ネットワークを介してやり取りできるようになったので、現場の作業の手間が軽減されました。さらに、USBメモリという物理デバイスを管理する必要がなくなり、運用面でもセキュリティ対策の面でも、改善が図られました」と阿部氏は付け加えます。

今後の展開

今後の取り組みについて、阿部氏は「岐阜県共通基盤システム(岐阜県のプライベートクラウド)にHCIと分散ストレージを適用し、システム運用を効率化することでセキュリティを堅固に保ったまま、システムの柔軟性が高まり、コストパフォーマンスも、より高められます。

単純にクラウド適用できないことも多いですが、一つ一つ課題を見極めながら計画的に内部事務システムの最適化を進めて行きます。

例えばBCP対策では、外部の遠隔地のデータ保管から総合庁内保管への移行を考えています。分散ストレージにより、必要な時に必要な容量のストレージ容量を増強し、負担なく柔軟にシステムを拡張することが可能になります。基盤を整備することで県の持続的成長はもちろん、将来的に市区町村の行政とデータ連携などDX推進に取り組んでいきたいと思っています」と展望を語ってくださいました。